情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前218


コンピュータとスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の間、又は2台のスイッチングハブの間を接続する複数の物理回線を論理的に1本の回線に束ねる技術はどれか。
スパニングツリー
ブリッジ
マルチホーミング
リンクアグリゲーション(正解)

解説

コンピュータとスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の間、又は2台のスイッチングハブの間を接続する複数の物理回線を論理的に1本の回線に束ねる技術はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:複数の物理回線を論理的に1本に束ねる技術は「リンクアグリゲーション」です。
  • 根拠:リンクアグリゲーションは複数のイーサネット回線を束ねて帯域幅の増加と冗長性を実現します。
  • 差がつくポイント:スパニングツリーはループ防止、ブリッジは異なるネットワークの接続、マルチホーミングは複数回線の冗長接続であり、回線束ねとは異なります。

正解の理由

リンクアグリゲーションは複数の物理的なイーサネット回線を束ねて、1本の論理回線として扱う技術です。これにより通信帯域の拡張や回線障害時の冗長性が確保されます。スイッチ間やコンピュータとスイッチ間での高速かつ安定した通信を実現するために使われるため、問題文の条件に最も適しています。

よくある誤解

スパニングツリーはループ防止のためのプロトコルであり、回線を束ねる技術ではありません。マルチホーミングは複数回線の冗長化を指し、帯域幅の増加を目的としません。

解法ステップ

  1. 問題文の「複数の物理回線を論理的に1本に束ねる」という表現に注目する。
  2. 各選択肢の意味を確認し、回線束ねに該当する技術を探す。
  3. スパニングツリーはループ防止、ブリッジはネットワーク接続、マルチホーミングは冗長化であることを除外。
  4. 複数回線を1本に束ねる技術は「リンクアグリゲーション」であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: スパニングツリー
    ループを防ぐためのプロトコルであり、回線を束ねる機能はありません。
  • イ: ブリッジ
    異なるネットワークセグメントを接続する装置や機能で、回線束ねとは異なります。
  • ウ: マルチホーミング
    複数の回線を冗長的に接続することを指し、帯域幅の増加や論理的束ねではありません。
  • エ: リンクアグリゲーション
    複数の物理回線を束ねて1本の論理回線として扱い、帯域幅増加と冗長性を実現します。

補足コラム

リンクアグリゲーションはIEEE 802.3ad(現在は802.1AX)で標準化されており、複数のイーサネットポートを束ねて1つの論理リンクとして扱います。これにより、通信速度の向上だけでなく、片方の回線が故障しても通信を維持できる冗長性も確保されます。企業ネットワークやデータセンターで広く利用されています。

FAQ

Q: リンクアグリゲーションとマルチホーミングの違いは何ですか?
A: リンクアグリゲーションは複数回線を束ねて帯域幅を増やす技術で、マルチホーミングは複数回線を冗長的に接続し障害時の切り替えを目的とします。
Q: スパニングツリーはなぜ回線束ねに使えないのですか?
A: スパニングツリーはネットワーク内のループを防止するためのプロトコルであり、物理回線を束ねて帯域幅を増やす機能はありません。

関連キーワード: リンクアグリゲーション, IEEE 802.3ad, スイッチングハブ, 帯域幅拡張, 冗長性, イーサネット
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