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情報処理安全確保支援士試験 2013年 春期 午前2 問19
TCP のフロー制御に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
ア:OSI 基本参照モデルのネットワーク層の機能である。
イ:ウィンドウ制御の単位は,バイトではなくビットである。
ウ:確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う。(正解)
エ:データの順序番号をもたないので,データは受信した順番のままで処理する。
解説
TCP のフロー制御に関する記述のうち, 適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:TCPのフロー制御は確認応答がない場合に再送処理でデータ回復を行う仕組みが適切です。
- 根拠:TCPは信頼性の高い通信を実現するため、確認応答(ACK)を受け取れない場合に再送を行い、データの欠落を防ぎます。
- 差がつくポイント:フロー制御はネットワーク層ではなくトランスポート層の機能であり、ウィンドウ制御はバイト単位で行われる点を正確に理解しましょう。
正解の理由
選択肢ウ「確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う」はTCPの基本的な信頼性確保機能を正しく表しています。TCPは送信したデータに対して受信側から確認応答(ACK)を受け取り、これが得られない場合はタイムアウト後に再送を行います。これによりデータの欠落や破損を防ぎ、通信の信頼性を保っています。
よくある誤解
TCPのフロー制御はネットワーク層の機能ではなくトランスポート層の機能です。また、ウィンドウ制御はビット単位ではなくバイト単位で行われるため、単位の違いを混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- TCPの役割と階層を確認し、フロー制御がどの層の機能かを理解する。
- フロー制御の基本動作(ウィンドウ制御、確認応答、再送処理)を整理する。
- 各選択肢の記述がTCPの仕様に合致しているかを検証する。
- 誤りのある選択肢を排除し、正しいものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: OSI基本参照モデルのネットワーク層の機能である。
→ TCPはトランスポート層のプロトコルであり、フロー制御もこの層の機能です。ネットワーク層ではありません。 - イ: ウィンドウ制御の単位はバイトではなくビットである。
→ TCPのウィンドウ制御はバイト単位で行われます。ビット単位ではないため誤りです。 - ウ: 確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う。
→ TCPの信頼性確保の基本機能であり正しい記述です。 - エ: データの順序番号をもたないので、データは受信した順番のままで処理する。
→ TCPは順序番号を持ち、受信側で正しい順序に並べ替えて処理します。順序番号なしは誤りです。
補足コラム
TCPのフロー制御は、受信側のバッファ容量に応じて送信側の送信速度を調整する仕組みです。これにより、受信側の処理能力を超えたデータ送信を防ぎ、通信の安定性を保ちます。また、確認応答と再送処理はTCPの信頼性を支える重要な機能であり、ネットワークの混雑やパケット損失に対応しています。
FAQ
Q: TCPのウィンドウ制御はなぜバイト単位で行われるのですか?
A: バイト単位にすることで、データの細かい制御が可能になり、効率的なフロー制御が実現できます。
A: バイト単位にすることで、データの細かい制御が可能になり、効率的なフロー制御が実現できます。
Q: 確認応答がない場合の再送処理はどのように行われますか?
A: 送信側は一定時間内にACKを受け取れない場合、タイムアウトとして再送処理を開始し、データの欠落を防ぎます。
A: 送信側は一定時間内にACKを受け取れない場合、タイムアウトとして再送処理を開始し、データの欠落を防ぎます。
関連キーワード: TCP, フロー制御, 再送処理, 確認応答, ウィンドウ制御, トランスポート層, 信頼性通信