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情報処理安全確保支援士試験 2013年 春期 午前2 問21
関係データベースのビューを利用する目的はどれか。
ア:DISTINCT指定, GROUP BY句及び HAVING句をもつ演算処理を独立させて,プログラムに単純化したデータ更新手段を提供する。
イ:行や列を特定の条件で絞り込んだビューだけをアクセスさせることによって,基となる表のデータの一部を隠蔽して保護する手段を提供する。(正解)
ウ:データベースの物理的記憶構造の変更に影響されないように,アプリケーションプログラムに対して物理的データ独立性を提供する。
エ:複数の表を結合したビューにインデックスを付与することによって, 複数の表にまたがった高度な検索手段を提供する。
解説
関係データベースのビューを利用する目的はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ビューは基となる表の一部を隠蔽し、アクセス制御やデータ保護を実現するために利用されます。
- 根拠:ビューは特定の行や列だけを表示し、ユーザーに必要な情報だけを提供することで、不要なデータの閲覧を防ぎます。
- 差がつくポイント:ビューの主な目的は「データの抽象化と保護」であり、物理的独立性やインデックス付与とは異なる点を理解することが重要です。
正解の理由
選択肢イは「行や列を特定の条件で絞り込んだビューだけをアクセスさせることによって、基となる表のデータの一部を隠蔽して保護する手段を提供する」と述べています。ビューは仮想的な表であり、ユーザーに見せるデータを制限できるため、機密情報の保護やアクセス権限の管理に役立ちます。これがビューの代表的な利用目的であり、正解です。
よくある誤解
ビューは単なるデータの抽出や表示のためだけでなく、データ保護やアクセス制御の役割も担います。物理的な記憶構造の変更に対する独立性はスキーマ設計の話であり、ビューの直接的な目的ではありません。
解法ステップ
- ビューの定義と役割を確認する。
- ビューが「仮想的な表」であることを理解する。
- ビューの主な利用目的(データの抽象化、アクセス制御)を思い出す。
- 選択肢の内容をビューの目的と照らし合わせる。
- データ保護やアクセス制御に関する記述がある選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: DISTINCTやGROUP BY、HAVING句はSQLの集約処理であり、ビューの主目的ではありません。ビューは単純化のための手段ですが、データ更新手段とは異なります。
- イ: 正解。ビューは特定の行や列を絞り込み、基の表の一部を隠蔽してデータ保護を実現します。
- ウ: 物理的データ独立性はデータベースの設計理念であり、ビューは論理的な抽象化を提供しますが、物理構造の変更に直接対応するものではありません。
- エ: ビューにインデックスを付与することは一般的にできず、複数表の結合に対する高速検索はインデックスの役割ですが、ビューの目的ではありません。
補足コラム
ビューは「仮想表」とも呼ばれ、実際のデータは基となる表に格納されています。ビューを通じてデータを操作することで、複雑なクエリを隠蔽し、ユーザーに必要な情報だけを提供できます。また、ビューは更新可能な場合もありますが、制限があるため注意が必要です。
FAQ
Q: ビューは物理的なデータを持っていますか?
A: いいえ、ビューは仮想的な表であり、実際のデータは基となる表に格納されています。
A: いいえ、ビューは仮想的な表であり、実際のデータは基となる表に格納されています。
Q: ビューを使うとデータの更新はできますか?
A: 一部のビューは更新可能ですが、複雑な結合や集約を含むビューは更新できないことが多いです。
A: 一部のビューは更新可能ですが、複雑な結合や集約を含むビューは更新できないことが多いです。
関連キーワード: ビュー, データ保護, アクセス制御, 仮想表, SQL, データ抽象化