情報処理安全確保支援士試験 2013年 春期 午前223


SOA (Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点のうち、適切なものはどれか。
可用性を高めるために, ステートフルなインタフェースとする。
業務からの独立性を確保するために, サービスの命名は役割を表すものとする。
業務の変化に対応しやすくするために, サービス間の関係は疎結合にする。(正解)
セキュリティを高めるために,一度開発したサービスは再利用しない方がよい。

解説

SOA (Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:SOA設計ではサービス間の関係を疎結合にすることが重要です。
  • 根拠:疎結合により業務変化に柔軟に対応でき、サービスの独立性と再利用性が高まります。
  • 差がつくポイント:ステートレス設計や命名規則も重要ですが、疎結合の理解が合否を分けます。

正解の理由

選択肢ウ「業務の変化に対応しやすくするために、サービス間の関係は疎結合にする。」が正解です。
SOAの基本理念は、サービスを独立した機能単位として設計し、相互依存を最小限に抑えることです。疎結合にすることで、あるサービスの変更が他に影響を与えにくくなり、業務要件の変化に柔軟に対応可能となります。これにより保守性や拡張性が向上します。

よくある誤解

ステートフルなインタフェースは可用性を高めるどころか、管理が複雑になり障害時の影響が大きくなります。
また、サービスは再利用を前提に設計するため、再利用しない方がよいという考えは誤りです。

解法ステップ

  1. SOAの基本概念を理解する(サービスの独立性と疎結合)。
  2. 各選択肢の内容がSOAの理念に合致しているか検証する。
  3. ステートフル・ステートレスの違いと影響を確認する。
  4. サービス命名の役割と業務独立性の関係を考える。
  5. セキュリティと再利用の関係性を整理する。
  6. 疎結合のメリットが最もSOA設計の目的に合致することを判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ステートフルなインタフェースは状態管理が必要で可用性や拡張性を低下させるため不適切です。
  • イ: サービス命名は役割を表すことが望ましいが、業務からの独立性確保には直接関係しません。
  • ウ: 業務変化に対応しやすくするためにサービス間の関係を疎結合にすることがSOA設計の核心です。
  • エ: 一度開発したサービスは再利用することで開発効率や品質向上につながるため、再利用しない方がよいは誤りです。

補足コラム

SOAでは「疎結合」と「ステートレス」が重要な設計原則です。疎結合はサービス間の依存度を下げ、ステートレスはサービスのスケーラビリティや可用性を高めます。これらを組み合わせることで、柔軟で拡張性の高いシステム構築が可能になります。

FAQ

Q: SOAでステートフルなサービスはなぜ避けるべきですか?
A: ステートフルは状態管理が必要で障害時の復旧が難しく、スケーラビリティや可用性が低下するためです。
Q: サービスの命名はどのように行うべきですか?
A: サービスの役割や機能を明確に表す名前にし、理解しやすく保守しやすい命名が望ましいです。

関連キーワード: SOA, 疎結合, ステートレス, サービス設計, システム拡張性, 保守性
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