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情報処理安全確保支援士試験 2014年 秋期 午前2 問12
DoS攻撃の一つであるSmurf攻撃の特徴はどれか。
ア:ICMPの応答パケットを大量に送り付ける。(正解)
イ:TCP接続要求であるSYNパケットを大量に送り付ける。
ウ:サイズが大きいUDPパケットを大量に送り付ける。
エ:サイズが大きい電子メールや大量の電子メールを送り付ける。
解説
Smurf攻撃は、代表的なDoS(サービス拒否)攻撃の一つです。以下でその特徴と動作の仕組みについてわかりやすく解説します。
Smurf攻撃の特徴
- 攻撃の基本的な手法
Smurf攻撃は、ICMP(Internet Control Message Protocol)エコー要求パケット(いわゆる「ping」)を用います。この攻撃では、以下の2つの特長があります。
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ブロードキャストアドレスを利用する
攻撃者は、ターゲットのネットワークのブロードキャストアドレス(例:192.168.0.255)宛にICMPエコー要求を大量に送ります。 -
送信元アドレスを偽装する
送信元IPアドレスを攻撃対象のIPアドレスに偽装します。
- 攻撃の仕組み
ブロードキャストされたICMPエコー要求を受け取ったネットワーク内の複数のホストが、その要求に対して応答を返します。この応答パケットはすべて偽装された送信元アドレス(攻撃対象)に送られるため、攻撃対象に大量のICMP応答パケットが集中し、サービス障害を引き起こします。
選択肢の比較
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ア: ICMPの応答パケットを大量に送り付ける。
これがSmurf攻撃の特徴に最も合致しています。送信元を偽装して応答を攻撃対象に集中させる点が重要です。 -
イ: TCP接続要求であるSYNパケットを大量に送り付ける。
これはSYNフラッド攻撃であり、Smurf攻撃ではありません。 -
ウ: サイズが大きいUDPパケットを大量に送り付ける。
UDPフラッド攻撃などの別のDoS手法であり、Smurf攻撃の特徴ではありません。 -
エ: サイズが大きい電子メールや大量の電子メールを送り付ける。
これはスパムメール攻撃やメールサーバへのDoS攻撃であり、Smurf攻撃とは異なります。
まとめ
- Smurf攻撃は、偽装した送信元IPアドレスでブロードキャストにICMPエコー要求を送り、多数の応答(ICMP応答パケット)を攻撃対象に集中させることによりサービス妨害を行う攻撃です。
- よって、選択肢の中では「ア」が正解になります。
攻撃の簡単な流れを図で表すと以下のようになります。
攻撃者 --> (送信元偽装したICMPエコー要求) --> ネットワークのブロードキャストアドレス
複数のホスト --> (大量のICMP応答パケット) --> 攻撃対象
このように、多数の応答が攻撃対象に返ってくるため、ターゲットの処理能力を超えネットワークやサービスがダウンしてしまいます。