情報処理安全確保支援士試験 2014年 春期 午前212


脆弱性検査で、対象ホストに対してポートスキャンを行った。対象ポートの状態を判定する方法のうち、適切なものはどれか。
対象ポートに SYNパケットを送信し、対象ホストから “RST/ACK” パケットを受信するとき、対象ポートが開いていると判定する。
対象ポートに SYNパケットを送信し、対象ホストから “SYN/ACK” パケットを受信するとき、対象ポートが閉じていると判定する。
対象ポートに UDPパケットを送信し、対象ホストからメッセージ “port unreachable” を受信するとき、対象ポートが閉じていると判定する。(正解)
対象ポートに UDPパケットを送信し、対象ホストからメッセージ “port unreachable” を受信するとき、対象ポートが開いていると判定する。

解説

脆弱性検査におけるポートスキャンの判定方法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:UDPパケット送信後に「port unreachable」メッセージを受信した場合、対象ポートは閉じていると判定します。
  • 根拠:UDPはコネクションレスで応答がない場合は開いている可能性が高く、ICMPの「port unreachable」は閉じている証拠です。
  • 差がつくポイント:TCPのSYN/ACKやRST/ACKの意味を正確に理解し、UDPの応答の有無で開閉を判断する点が重要です。

正解の理由

UDPポートスキャンでは、対象ポートにUDPパケットを送信し、応答がなければポートが開いている可能性が高いと判断します。一方、対象ホストからICMPの「port unreachable」メッセージが返ってきた場合は、そのポートが閉じていることを示します。
したがって、「対象ポートにUDPパケットを送信し、対象ホストからメッセージ ‘port unreachable’ を受信するとき、対象ポートが閉じていると判定する」ウが正解です。

よくある誤解

TCPのSYNパケットに対する応答の意味を誤解しやすく、RST/ACKを受け取ると開いていると誤判断することがあります。UDPは応答がないことが開いている証拠である点も混同しやすいです。

解法ステップ

  1. ポートスキャンの種類(TCPかUDPか)を確認する。
  2. TCPの場合、SYNパケット送信後の応答パケットの種類を理解する。
  3. UDPの場合、ICMPの「port unreachable」メッセージの意味を把握する。
  4. 応答の有無と内容からポートの状態を判定する。
  5. 選択肢の説明と照らし合わせて正しい判定方法を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: TCPのSYNパケットに対しRST/ACKが返る場合はポートが閉じていることを示すため誤り。
  • イ: SYN/ACKが返る場合はポートが開いているため、閉じていると判定するのは誤り。
  • ウ: UDPパケット送信後に「port unreachable」メッセージを受信した場合、ポートは閉じていると判定するため正解。
  • エ: 「port unreachable」メッセージはポートが閉じていることを示すため、開いていると判定するのは誤り。

補足コラム

TCPポートスキャンでは、SYNスキャンが一般的で、SYNパケットに対してSYN/ACKが返ればポートは開いており、RST/ACKが返れば閉じています。UDPはコネクションレスのため応答がないことが多く、ICMPの「port unreachable」メッセージが返るかどうかで判定します。これらの違いを理解することが脆弱性検査の基本です。

FAQ

Q: なぜUDPポートは応答がないと開いていると判断するのですか?
A: UDPはコネクションレスで応答が必須ではないため、応答がない場合はポートが開いているか、フィルタリングされている可能性があります。
Q: TCPのRST/ACKパケットは何を意味しますか?
A: RST/ACKは接続拒否を示し、ポートが閉じていることを意味します。

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