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情報処理安全確保支援士試験 2015年 秋期 午前2 問19
スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか。
ア:MACアドレスを見て,フレームを廃棄するか中継するかを決める。
イ:一定時間通信が行われていないMACアドレスを,MACアドレステーブルから消去する。
ウ:経路が複数存在する場合,アプリケーションやアドレスごとに経路を振り分けて,負荷を分散する。
エ:複数のブリッジ間で情報を交換し合い,ループ発生の検出や障害発生時の迂回ルート決定を行う。(正解)
解説
スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:スパニングツリープロトコル(STP)はネットワーク内のループを検出し、障害時に迂回ルートを決定する機能を持ちます。
- 根拠:STPは複数のブリッジ間で情報を交換し、ループを防ぐために冗長経路の一部をブロックします。
- 差がつくポイント:MACアドレスの処理や負荷分散とは異なり、STPは物理的なループ防止とネットワークの安定化に特化している点を理解しましょう。
正解の理由
選択肢エは「複数のブリッジ間で情報を交換し合い、ループ発生の検出や障害発生時の迂回ルート決定を行う」とあり、これはSTPの基本機能そのものです。STPはネットワーク内のループを防止し、障害時には代替経路を確立して通信の継続を可能にします。したがって、エが正解です。
よくある誤解
STPはMACアドレスの管理や負荷分散を行うものではありません。ループ防止と経路制御に特化したプロトコルであることを誤解しやすいです。
解法ステップ
- 問題文の「スパニングツリープロトコルの機能」に注目する。
- 各選択肢の内容がSTPの役割に合致しているかを確認する。
- MACアドレスの処理や負荷分散はSTPの機能ではないと判断する。
- ループ検出と迂回路決定を説明している選択肢を選ぶ。
- 選択肢エが該当するため正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: MACアドレスを見てフレームの中継を決めるのはブリッジやスイッチの基本機能であり、STPの機能ではありません。
- イ: MACアドレステーブルから一定時間通信がないアドレスを消去するのはMACアドレステーブルの老朽化処理で、STPとは無関係です。
- ウ: 経路の負荷分散はルーティングプロトコルやロードバランサの役割であり、STPの機能ではありません。
- エ: 複数のブリッジ間で情報交換し、ループ検出や迂回路決定を行うSTPの正しい説明です。
補足コラム
スパニングツリープロトコルはIEEE 802.1Dで規定されており、ネットワーク内の冗長経路によるループを防止します。ループが発生するとブロードキャストストームやフレームの無限循環が起こり、ネットワーク全体の障害につながるため、STPは非常に重要な役割を担っています。近年は高速化や拡張機能を持つRSTP(Rapid STP)やMSTP(Multiple STP)も利用されています。
FAQ
Q: スパニングツリープロトコルはどの層のプロトコルですか?
A: データリンク層(レイヤ2)のプロトコルで、ブリッジやスイッチ間のループ防止を行います。
A: データリンク層(レイヤ2)のプロトコルで、ブリッジやスイッチ間のループ防止を行います。
Q: STPがループを防止する仕組みは何ですか?
A: 冗長経路の一部をブロックし、物理的なループを論理的にツリー構造に変換することでループを防止します。
A: 冗長経路の一部をブロックし、物理的なループを論理的にツリー構造に変換することでループを防止します。
Q: STPとルーティングプロトコルの違いは何ですか?
A: STPはレイヤ2でループ防止を行い、ルーティングプロトコルはレイヤ3で経路選択や負荷分散を行います。
A: STPはレイヤ2でループ防止を行い、ルーティングプロトコルはレイヤ3で経路選択や負荷分散を行います。
関連キーワード: スパニングツリープロトコル, STP, ループ防止, ブリッジ, ネットワーク冗長化, IEEE 802.1D