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情報処理安全確保支援士試験 2015年 秋期 午前2 問20
ファイル転送プロトコルTFTPをFTPと比較したときの記述として,適切なものはどれか。
ア:暗号化を用いてセキュリティ機能を強化したファイル転送プロトコル
イ:インターネットからのファイルのダウンロード用に特化したファイル転送プロトコル
ウ:テキストデータの転送を効率的に行うためにデータ圧縮機能を追加したファイル転送プロトコル
エ:ユーザ認証を省略しUDPを用いる,簡素化されたファイル転送プロトコル(正解)
解説
ファイル転送プロトコルTFTPをFTPと比較したときの記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:TFTPはユーザ認証を省略しUDPを用いる、簡素化されたファイル転送プロトコルである。
- 根拠:TFTPは軽量でシンプルな設計を持ち、主に小規模なファイル転送やネットワーク機器のブートに使われる。
- 差がつくポイント:FTPはTCPを使い認証や制御機能が充実しているのに対し、TFTPはUDPで認証なしの単純な転送を行う点を押さえること。
正解の理由
選択肢エは「ユーザ認証を省略しUDPを用いる、簡素化されたファイル転送プロトコル」とあり、これはTFTPの特徴を正確に表しています。TFTPはTCPではなくUDPを使い、認証や暗号化などの複雑な機能を持たず、シンプルなファイル転送を目的としています。これにより、ネットワーク機器の初期設定や小規模なファイル転送に適しています。
よくある誤解
TFTPはFTPのセキュリティ強化版や圧縮機能付きのプロトコルではありません。むしろ機能を削減し、簡素化したものです。
解法ステップ
- FTPとTFTPの基本的な違いを理解する(TCP vs UDP、認証の有無)。
- TFTPの用途や設計思想を確認する(シンプルで軽量なファイル転送)。
- 選択肢の内容をTFTPの特徴と照らし合わせる。
- 認証や暗号化、圧縮機能の有無に注目し、正しい説明を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 暗号化を用いてセキュリティ機能を強化したファイル転送プロトコル
→ TFTPは暗号化機能を持たず、セキュリティは非常に低い。 - イ: インターネットからのファイルのダウンロード用に特化したファイル転送プロトコル
→ TFTPは特定用途向けの簡易プロトコルであり、インターネット全般のダウンロード用ではない。 - ウ: テキストデータの転送を効率的に行うためにデータ圧縮機能を追加したファイル転送プロトコル
→ TFTPに圧縮機能はなく、単純な転送のみを行う。 - エ: ユーザ認証を省略しUDPを用いる,簡素化されたファイル転送プロトコル
→ 正解。TFTPの特徴を正しく表している。
補足コラム
TFTP(Trivial File Transfer Protocol)はRFC1350で定義されており、主にネットワーク機器のブート時にファームウェアや設定ファイルを転送するために使われます。UDPを使うため、接続の確立や再送制御は簡素で、信頼性はTCPに劣りますが、軽量で高速な転送が可能です。
FAQ
Q: TFTPはなぜUDPを使うのですか?
A: UDPはコネクションレスでオーバーヘッドが少なく、簡単なファイル転送に適しているためです。
A: UDPはコネクションレスでオーバーヘッドが少なく、簡単なファイル転送に適しているためです。
Q: FTPとTFTPの主な違いは何ですか?
A: FTPはTCPを使いユーザ認証や制御機能があるのに対し、TFTPはUDPを使い認証なしで簡素な転送を行います。
A: FTPはTCPを使いユーザ認証や制御機能があるのに対し、TFTPはUDPを使い認証なしで簡素な転送を行います。
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