情報処理安全確保支援士試験 2015年 春期 午前224


データセンタにおけるコールドアイルの説明として、適切なものはどれか。
IT機器の冷却を妨げる熱気をラックの前面(吸気面)に回り込ませないための板であり,IT機器がマウントされていないラックの空き部分に取り付ける。
寒冷な外気をデータセンタ内に直接導入してIT機器を冷却するときの,データセンタへの外気の吸い込み口である。
空調機からの冷気とIT機器からの熱排気を分離するために,ラックの前面(吸気面)同士を対向配置したときの,ラックの前面同士に挟まれた冷気の通る部分である。(正解)
発熱量が多い特定の領域に対して,全体空調とは別に個別空調装置を設置するときの,個別空調用の冷媒を通すパイプである。

解説

データセンタにおけるコールドアイルの説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • コールドアイルはラックの前面(吸気面)同士を向かい合わせに配置し、冷気の通路を確保する設計手法です。
  • これにより、空調機からの冷気とIT機器の熱排気が混ざらず効率的な冷却が可能になります。
  • 差がつくポイントは「ラックの前面同士を対向配置し冷気の通路を作る」という物理的配置の理解です。

正解の理由

選択肢ウは、コールドアイルの基本的な構造を正確に説明しています。データセンタ内でラックの前面(吸気面)を向かい合わせに配置し、その間に冷気が流れる通路(コールドアイル)を形成します。これにより、冷気が効率よくIT機器に供給され、熱排気と混ざらずに排出されるため、冷却効率が向上します。

よくある誤解

コールドアイルは単なる冷気の通路ではなく、ラックの配置方法により冷気と熱気を分離する設計である点が誤解されやすいです。

解法ステップ

  1. 「コールドアイル」の意味を確認し、冷気の通路であることを理解する。
  2. ラックの前面(吸気面)同士を向かい合わせに配置することが特徴であると認識する。
  3. 冷気と熱気の分離が目的であることを念頭に置く。
  4. 選択肢の説明と照らし合わせて、物理的配置と機能が合致するものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ラックの空き部分に取り付ける板の説明は「ブランクパネル」など別の設備であり、コールドアイルの説明としては不適切です。
  • イ: 外気を直接導入する吸い込み口は「外気導入口」や「エアインテーク」であり、コールドアイルとは異なります。
  • ウ: 正解。ラックの前面同士を対向配置し冷気の通路を作るコールドアイルの説明です。
  • エ: 個別空調用の冷媒パイプは「冷媒配管」や「個別空調設備」の説明であり、コールドアイルとは関係ありません。

補足コラム

データセンタの冷却効率を高めるためには、コールドアイルとホットアイル(ラックの背面同士を向かい合わせに配置し熱気の通路を作る)がセットで設計されることが多いです。これにより冷気と熱気の混合を防ぎ、空調負荷を低減します。

FAQ

Q: コールドアイルとホットアイルの違いは何ですか?
A: コールドアイルは冷気が流れる通路でラックの前面同士を向かい合わせに配置し、ホットアイルは熱気が流れる通路でラックの背面同士を向かい合わせに配置します。
Q: コールドアイルの設計が不適切だとどうなりますか?
A: 冷気と熱気が混ざり冷却効率が低下し、IT機器の温度上昇や故障リスクが高まります。

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