情報処理安全確保支援士試験 2015年 春期 午前225


入出金管理システムから出力された入金データファイルを、売掛金管理システムが読み込んでマスタファイルを更新する。入出金管理システムから売掛金管理システムへのデータ受渡しの正確性及び網羅性を確保するコントロールはどれか。
売掛金管理システムにおける入力データと出力結果とのランツーランコントロール
売掛金管理システムのマスタファイル更新におけるタイムスタンプ機能
入金額及び入金データ件数のコントロールトータルのチェック(正解)
入出金管理システムへの入力のエディットバリデーションチェック

解説

入出金管理システムから売掛金管理システムへのデータ受渡しの正確性及び網羅性を確保するコントロール【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:入金額と入金データ件数のコントロールトータルを用いることで、データの正確性と網羅性を確保できる。
  • 根拠:コントロールトータルは転送データの合計値や件数を比較し、欠落や誤りを検出する代表的な手法である。
  • 差がつくポイント:単なる入力チェックやタイムスタンプではなく、全データの整合性を数値的に検証する点が重要である。

正解の理由

売掛金管理システムが入出金管理システムから受け取る入金データの正確性と網羅性を保証するには、データの合計金額や件数を事前に計算し、受け取った側でも同様に計算して比較する「コントロールトータル」が最も効果的です。これにより、データの一部が欠落したり誤って転送された場合に検出可能となります。したがって、選択肢の中で「入金額及び入金データ件数のコントロールトータルのチェック」であるウが正解です。

よくある誤解

タイムスタンプは更新時刻の記録であり、データの網羅性や正確性を直接保証しません。入力データと出力結果のランツーランコントロールは処理全体の整合性確認であり、受渡しの網羅性とは異なります。

解法ステップ

  1. 問題文から「入出金管理システムから売掛金管理システムへのデータ受渡しの正確性及び網羅性」を確認。
  2. 正確性と網羅性を保証する代表的な手法を思い出す。
  3. コントロールトータル(合計値や件数の比較)が該当するか検討。
  4. 他の選択肢の意味と役割を整理し、受渡しの網羅性に直接関係しないものを除外。
  5. 「入金額及び入金データ件数のコントロールトータルのチェック」が最も適切と判断。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ランツーランコントロールはシステム内の入力から出力までの整合性確認であり、システム間のデータ受渡しの網羅性を保証するものではありません。
  • イ: タイムスタンプはファイルの更新日時を記録するだけで、データの欠落や誤りを検出する機能はありません。
  • ウ: 入金額及び入金データ件数のコントロールトータルは、データの正確性と網羅性を数値的に検証できるため正解です。
  • エ: エディットバリデーションチェックは入力データの形式や範囲の妥当性を確認するもので、受渡しの網羅性とは直接関係ありません。

補足コラム

コントロールトータルは、データ転送やバッチ処理でよく使われる基本的な検証手法です。例えば、売上データの合計金額や件数を送信側と受信側で比較し、一致しなければ転送ミスやデータ欠落の可能性を示します。これにより、システム間のデータ連携の信頼性を高めることができます。

FAQ

Q: コントロールトータルとチェックサムはどう違いますか?
A: コントロールトータルは合計値や件数の比較で、チェックサムはデータのビット単位の誤り検出に使われる技術です。目的は似ていますが、適用範囲が異なります。
Q: タイムスタンプはなぜ正確性の保証に不十分なのですか?
A: タイムスタンプは更新日時の記録に過ぎず、データの内容や件数の正確性を検証する機能はありません。

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