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情報処理安全確保支援士試験 2016年 秋期 午前2 問12
rootkitの特徴はどれか。
ア:OSなどに不正に組み込んだツールを隠蔽する。(正解)
イ:OSの中核であるカーネル部分の脆弱性を分析する。
ウ:コンピュータがウイルスやワームに感染していないことをチェックする。
エ:コンピュータやルータのアクセス可能な通信ポートを外部から調査する。
解説
rootkit(ルートキット)は、悪意のある攻撃者がシステムに侵入した後、自分の行動や存在を隠すために使用する不正なソフトウェアやツールのことを指します。主な特徴は、「OS(オペレーティングシステム)などに不正に組み込まれて、攻撃者の痕跡や不正な動きを隠蔽する」ことです。
選択肢の内容を一つずつ見てみましょう。
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ア:「OSなどに不正に組み込んだツールを隠蔽する」
これはまさにrootkitの特徴を表しています。rootkitは、システム内部に侵入して自身や他の不正ツールの痕跡を隠し、検知や駆除を困難にします。 -
イ:「OSの中核であるカーネル部分の脆弱性を分析する」
これはrootkitの役割ではなく、脆弱性診断やセキュリティ評価の一環であり、防御側の行為です。 -
ウ:「コンピュータがウイルスやワームに感染していないことをチェックする」
これはウイルススキャナなどのセキュリティ対策ツールの役割であり、rootkitの目的とは異なります。 -
エ:「コンピュータやルータのアクセス可能な通信ポートを外部から調査する」
これはポートスキャンという攻撃や診断の手法であり、rootkit固有の特徴ではありません。
つまり、正解は「ア」です。
なぜrootkitは危険なのか?
rootkitはシステムの奥深くに入り込み、システムログの改ざんや不正プロセスの隠蔽を行うため、通常の検出手法では見つけにくいです。これにより、攻撃者は長期間システムを不正利用できるようになります。
rootkitの隠蔽方法の例
- ファイルやプロセスを隠す(リストに表示しない)
- ネットワーク接続の痕跡を隠す
- システムコールを改ざんして不正アクセスを偽装する
まとめ
rootkitは、システムに不正に入り込み、自身の存在を隠す悪意のあるツールです。攻撃者が長期にわたってシステムを支配し続けるため、特に厄介なマルウェアの一種です。そのため、対策としては、OSのセキュリティパッチを適用したり、信頼性の高いアンチマルウェア製品を利用することが重要です。