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情報処理安全確保支援士試験 2016年 秋期 午前2 問18
DNSに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:DNSサーバに対してIPアドレスに対応するドメイン名又はドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせるクライアントソフトウェアをリゾルバという。(正解)
イ:問合せを受けたDNSサーバが要求されたデータをもっていない場合に他のDNSサーバを参照先として回答することをゾーン転送という。
ウ:ドメイン名に対応するIPアドレスを求めることを逆引きという。
エ:ドメイン名を管理するDNSサーバを指定する資源レコードのことをCNAMEという。
解説
DNS(Domain Name System)はインターネット上でドメイン名とIPアドレスを対応付ける重要な仕組みです。これに関する各選択肢の説明をわかりやすく解説します。
選択肢ア:リゾルバについて
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内容
「DNSサーバに対してIPアドレスに対応するドメイン名又はドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせるクライアントソフトウェアをリゾルバという。」 -
解説
リゾルバは、ホスト側のソフトウェアで、ユーザーやアプリケーションからのドメイン名やIPアドレスの問い合わせを受けて、DNSサーバに問い合わせを行います。
たとえば、ブラウザで「www.example.com」と入力すると、リゾルバがDNSサーバに問い合わせをして対応するIPアドレスを取得します。
そのため、リゾルバは「問い合わせをするクライアントソフトウェア」であるため、この説明は正しいです。
選択肢イ:ゾーン転送について
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内容
「問合せを受けたDNSサーバが要求されたデータをもっていない場合に他のDNSサーバを参照先として回答することをゾーン転送という。」 -
解説
ゾーン転送はDNSサーバ間で「DNSデータベースの領域(ゾーン)」をコピー・同期する仕組みです。
考え方は「DNSサーバ間のデータ同期」であり、リゾルバが問い合わせに対し他のDNSサーバを参照して回答する行為とは異なります。
したがって、この説明は誤りです。
選択肢ウ:逆引きについて
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内容
「ドメイン名に対応するIPアドレスを求めることを逆引きという。」 -
解説
通常の名前解決は「ドメイン名 → IPアドレス」です。
逆引きは「IPアドレス → ドメイン名」を求めることを指します。
したがって、この説明は逆の意味になっており誤りです。
選択肢エ:CNAMEレコードについて
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内容
「ドメイン名を管理するDNSサーバを指定する資源レコードのことをCNAMEという。」 -
解説
ドメイン名を管理するDNSサーバを指定するレコードは NSレコード(Name Serverレコード)です。
CNAMEレコードは「Canonical Name」の略で、ドメイン名の別名(エイリアス)を指定する資源レコードを意味します。
したがって、この記述は誤りです。
まとめ
今回の問題における正しい選択肢は ア です。
DNSの基本的な用語について正確に理解することが重要です。
DNSの基本的な用語について正確に理解することが重要です。
- リゾルバ:ユーザ側の問い合わせクライアントソフト
- ゾーン転送:DNSサーバ間のデータ同期手続き
- 逆引き:IPアドレスからドメイン名を調べること
- CNAMEレコード:ドメイン名のエイリアス指定(NSレコードは管理DNSサーバ指定)
以上を踏まえて選択肢アが正しいと言えます。