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情報処理安全確保支援士試験 2016年 秋期 午前219


TCPのコネクション確立方式である3ウェイハンドシェイクを表す図はどれか。
選択肢画像
(正解)

解説

TCP(Transmission Control Protocol)のコネクション確立で用いられる方式の一つに「3ウェイハンドシェイク」があります。これは、通信を開始する際に、双方の通信相手が正しく接続を確立したことを確認するための手順です。

3ウェイハンドシェイクの概要

3ウェイハンドシェイクは、以下の3つのメッセージ交換によって行われます。
  1. SYN(Synchronize)
    コネクション要求元(クライアント)が、「接続を開始したい」という意思を示す信号を送信します。
  2. SYN+ACK(Synchronize + Acknowledgment)
    コネクション要求先(サーバ)が、要求を受け入れたことと、クライアントからのSYNを確認した旨を返します。
  3. ACK(Acknowledgment)
    コネクション要求元が、サーバからのSYN+ACKを受け取ったことを確認し、通信の準備が整ったことを通知します。
これにより、信頼性のあるコネクションが確立され、双方向の通信が可能になります。

なぜ3ウェイなのか

TCPは信頼性の高い通信を提供するために、両者の準備と確認が必要です。なぜなら、片方だけが接続を開始している状況では、ネットワーク障害や遅延によってメッセージが失われる恐れがあるためです。
  • 11回目のSYNで接続を始めたい意思を伝え、
  • 22回目のSYN+ACKで相手からの同意と、こちらのSYNを確認後の応答を受け取り、
  • 33回目のACKで最終的な確認を行います。

選択肢の説明

問題文の図の中で、3ウェイハンドシェイクを正しく表しているのは「ア」の図です。
  • 「ア」では、
    1. 左(コネクション要求元)から右(コネクション要求先)に SYN メッセージが送られ、
    2. その後、右から左に SYN+ACK メッセージが返され、
    3. 最後に左から右に ACK メッセージが送信されています。
これが、3ウェイハンドシェイクの正しい手順です。
他の選択肢は次のように異なります。
  • 「イ」や「エ」はSYNとACKが繰り返し多く送られており、3回ずつのやり取りが描かれているため誤りです。
  • 「ウ」は同時に複数のSYNが連続で送信されているため、正しい手順ではありません。

まとめ

TCPの通信開始時には、以下の3つの信号が順番に交換されます。
SYNSYN+ACKACK\text{SYN} \rightarrow \text{SYN+ACK} \rightarrow \text{ACK}
この流れが「3ウェイハンドシェイク」であり、確立した接続は双方が通信可能であることを保証します。「ア」の図がこのプロセスを正確に表現しているため、これが正解となります。
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