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情報処理安全確保支援士試験 2016年 秋期 午前2 問22
システム開発で行うテストについて、テスト要求事項を定義するアクティビティと対応するテストの組合せのうち、適切なものはどれか。

ア:
イ:
ウ:(正解)
エ:
解説
システム開発におけるテストでは、設計工程の各レベルに応じたテスト要求事項を定義し、その対応したテストを実施することが重要です。ここでは、問題文に示された「システム方式設計」「ソフトウェア方式設計」「ソフトウェア詳細設計」という設計工程に対応する代表的なテスト工程を正しく理解するポイントを説明します。
1. 各設計工程とテスト工程の関係
2. テストレベルの概要
-
ソフトウェアユニットテスト
ソフトウェア詳細設計をもとに、個々のプログラム単位(関数やモジュール)に対して実施します。主に内部ロジックや単体機能の検証です。 -
ソフトウェア結合テスト
複数のモジュールを結合して動作させ、インターフェースの不具合やモジュール間の相互作用を確認します。ソフトウェア方式設計の段階に対応します。 -
システム結合テスト
システム全体がひとつにまとまった状態で、外部システムやハードウェアなどとの連携も含めて総合確認します。システム方式設計に対応し、システム全体の連携性を検証します。 -
運用テスト
実際の運用環境を想定して行うテストで、利用者の視点から機能や性能が要件を満たしているかを検証します。
3. 問題の正解「ウ」の組み合わせについて
これが最も適切な組み合わせです。
- システムレベルの設計で「システム結合テスト」を計画し、
- ソフトウェア単位の方式設計では「ソフトウェア結合テスト」を実施、
- さらに詳細設計の段階では最も小さな単位の「ソフトウェアユニットテスト」を行うのが標準的な流れです。
4. なぜ他の選択肢は不適切か
- 運用テストは設計レベルの定義には直接対応しないため、設計工程と直接紐づけてテスト要求を定義する際には基本的に使いません。
- ソフトウェア結合テストとユニットテストの役割が逆になっているなど、テストの対象範囲と設計工程のレベル感が合っていない組み合わせは不適切です。
5. まとめ
システム開発におけるテスト要求事項の定義は、設計の抽象度に対応したテストの種類を正しく対応させることが重要です。具体的には、
- システム方式設計 ⇨ システム結合テスト
- ソフトウェア方式設計 ⇨ ソフトウェア結合テスト
- ソフトウェア詳細設計 ⇨ ソフトウェアユニットテスト
の組み合わせが基本となり、これを理解しておくことでテスト計画の作成や品質保証に役立ちます。