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情報処理安全確保支援士試験 2016年 秋期 午前2 問24
JIS Q 20000-1で定義されるインシデントに該当するものはどれか。
ア:ITサービス応答時間の大幅な超過(正解)
イ:ITサービスの新人向け教育の依頼
ウ:ITサービスやシステムの機能や使い方に対する問合せ
エ:新設営業所に対するITサービス提供の要求
解説
JIS Q 20000-1は、ITサービスマネジメントの国際規格であり、ITサービスの品質維持や改善を目的としています。この規格の中で「インシデント」は非常に重要な概念です。
インシデントとは何か?
インシデントとは、「通常のサービス運用を妨げる、または妨げる可能性のある予期しない出来事」と定義されます。つまり、ITサービスにおいて何らかの障害や問題が発生し、そのサービスの提供に支障が出る状態を指します。
たとえば、
- サーバーダウンによるサービス停止
- ネットワーク障害での通信不能
- サービス応答時間の著しい遅延
などがインシデントに該当します。
選択肢の判断基準
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ア: ITサービス応答時間の大幅な超過サービスの応答時間が大幅に遅れることは、サービスの正常な提供が妨げられている状態です。よってインシデントに該当します。
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イ: ITサービスの新人向け教育の依頼教育依頼はサービスの障害ではなく、通常の業務やサポート活動の一環なのでインシデントではありません。
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ウ: ITサービスやシステムの機能や使い方に対する問合せ問合せはサービス利用者からの相談や質問であり、問題発生ではないためインシデントではありません。
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エ: 新設営業所に対するITサービス提供の要求これは新しいサービスの依頼であり、障害や異常ではないためインシデントに該当しません。
まとめ
JIS Q 20000-1の「インシデント」はサービスの正常な提供が妨げられる予期せぬ出来事を意味します。したがって、「ITサービス応答時間の大幅な超過」はサービス提供に支障が出ている状態なのでインシデントにあたります。
このように、インシデントはサービスの正常な動作を妨げる問題のことですので、早期に検知し対処することがITサービスマネジメントでは重要です。