情報処理安全確保支援士試験 2016年 春期 午前220


TCPのサブミッションポート (ポート番号 587) の説明として,適切なものはどれか。
FTPサービスで,制御用コネクションのポート番号21とは別にデータ転送用に使用する。
Webアプリケーションで,ポート番号80のHTTP要求とは別に,サブミットボタンをクリックした際の入力フォームのデータ送信に使用する。
コマンド操作の遠隔ログインで,通信内容を暗号化するためにTELNETのポート番号23の代わりに使用する。
電子メールサービスで,迷惑メール対策としてSMTPのポート番号25の代わりに使用する。(正解)

解説

TCPのサブミッションポート (ポート番号 587) の説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ポート番号587は電子メール送信のためのSMTPサブミッションポートとして使われる。
  • 根拠:SMTPの標準ポート25はスパム対策やISPの制限が多いため、認証付き送信に587が推奨される。
  • 差がつくポイント:ポート番号の用途を正確に理解し、FTPやHTTP、TELNETと混同しないことが重要。

正解の理由

ポート番号587はSMTPのサブミッションポートであり、メールクライアントがメールサーバにメールを送信する際に使われます。これはポート25の代替として認証や暗号化を前提に設計されており、迷惑メール対策の観点からも推奨されています。したがって、電子メールサービスで迷惑メール対策としてポート25の代わりに使用される説明が正しいです。

よくある誤解

ポート番号587をHTTPやFTP、TELNETの代わりに使うと誤解しやすいですが、それぞれのポート番号は明確に役割が分かれています。特にポート25と混同しやすい点に注意が必要です。

解法ステップ

  1. ポート番号の基本的な役割を確認する(FTPは21/20、HTTPは80、TELNETは23、SMTPは25)。
  2. サブミッションポート587の用途を理解する(SMTPのメール送信用で認証が必要)。
  3. 選択肢の説明とポート番号の役割を照合し、正しい説明を選ぶ。
  4. 迷惑メール対策や認証の観点からポート587の重要性を確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: FTPの制御用はポート21、データ転送は20であり、587はFTPとは無関係です。
  • イ: HTTPのポート80はWeb通信の標準であり、フォーム送信も80または443(HTTPS)を使います。587は関係ありません。
  • ウ: TELNETはポート23で、暗号化はSSH(ポート22)が使われます。587はメール送信専用です。
  • エ: 電子メール送信のためのSMTPサブミッションポートで、迷惑メール対策としてポート25の代わりに使われます。

補足コラム

SMTPの標準ポート25は主にメールサーバ間の通信に使われますが、ISPがポート25をブロックすることが多いため、メールクライアントからの送信にはポート587が推奨されています。さらに、ポート465はかつてSMTPのSSL/TLS用に使われていましたが、現在は非推奨です。

FAQ

Q: なぜポート25ではなく587を使うのですか?
A: ポート25はスパム送信に悪用されやすく、多くのISPがブロックしているため、認証付き送信に適した587が推奨されています。
Q: ポート587は暗号化通信に対応していますか?
A: はい。STARTTLSコマンドを使って通信の暗号化が可能で、安全なメール送信を実現します。

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