ホーム > 情報処理安全確保支援士試験 > 2016年 春期
情報処理安全確保支援士試験 2016年 春期 午前2 問22
フェールセーフの考えに基づいて設計したものはどれか。
ア:乾電池のプラスとマイナスを逆にすると,乾電池が装填できないようにする。
イ:交通管制システムが故障したときには,信号機に赤色が点灯するようにする。(正解)
ウ:ネットワークカードのコントローラを二重化しておき,故障したコントローラの方を切り離しても運用できるようにする。
エ:ハードディスクにRAID1を採用して,MTBFで示される信頼性が向上するようにする。
解説
フェールセーフの考えに基づいて設計したものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:フェールセーフ設計は故障時に安全な状態を保つことを目的とし、信号機が赤になる設計が典型例です。
- 根拠:フェールセーフはシステム障害時に危険を回避し、被害を最小限に抑える設計思想であり、交通信号の赤点灯は安全確保の代表例です。
- 差がつくポイント:冗長化や誤装填防止はフェールセーフとは異なり、フェールソフトやフォールトトレラントの概念に近い点を理解しましょう。
正解の理由
選択肢イは「交通管制システムが故障したときに信号機が赤色点灯する」設計であり、これはフェールセーフの典型例です。故障時に最も安全な状態(全車停止)を自動的に確保し、事故や混乱を防止します。フェールセーフは「故障しても安全側に動作する」ことが重要であり、赤信号点灯はまさにそれを実現しています。
よくある誤解
フェールセーフは単なる故障回避や冗長化ではなく、故障時に安全な状態を保証する設計思想です。誤って冗長化や誤装填防止をフェールセーフと混同しやすい点に注意しましょう。
解法ステップ
- フェールセーフの定義を確認する(故障時に安全な状態を保つ設計)。
- 各選択肢の設計目的を理解する。
- 故障時に安全側に動作するかどうかを判断する。
- 交通信号の赤点灯が安全確保の典型例であることを思い出す。
- 正解を選択肢イと確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 乾電池の逆装填防止は誤使用防止であり、フェールセーフではなくユーザビリティや安全設計の一部です。
- イ: 正解。故障時に信号が赤となり安全を確保する典型的なフェールセーフ設計です。
- ウ: ネットワークカードの二重化はフォールトトレラントやフェールソフトの考え方で、故障時に運用継続を目指す設計です。
- エ: RAID1による信頼性向上は冗長化による故障耐性向上であり、フェールセーフとは異なります。
補足コラム
フェールセーフは安全工学やシステム設計で重要な概念で、航空機や鉄道、医療機器など多くの分野で採用されています。対義語として「フェールソフト」があり、こちらは故障時も機能を維持し続ける設計を指します。設計思想の違いを理解することが合格の鍵です。
FAQ
Q: フェールセーフとフォールトトレラントの違いは何ですか?
A: フェールセーフは故障時に安全な状態に移行する設計で、フォールトトレラントは故障しても機能を継続する設計です。
A: フェールセーフは故障時に安全な状態に移行する設計で、フォールトトレラントは故障しても機能を継続する設計です。
Q: 交通信号の赤点灯以外にフェールセーフの例はありますか?
A: はい。例えばエレベーターの非常停止装置や火災報知器の故障時に警報を出す設計などがあります。
A: はい。例えばエレベーターの非常停止装置や火災報知器の故障時に警報を出す設計などがあります。
関連キーワード: フェールセーフ, フォールトトレラント, 冗長化, 交通信号, 安全設計, 故障時安全, 信頼性設計