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情報処理安全確保支援士試験 2017年 秋期 午前2 問06
DNS に対するカミンスキー攻撃 (Kaminsky's attack) への対策はどれか。
ア:DNS キャッシュサーバと権威 DNS サーバとの計2台の冗長構成とすることによって, 過負荷によるサーバダウンのリスクを大幅に低減させる。
イ:SPF (Sender Policy Framework) を用いて MXレコードを認証することによって, 電子メールの送信元ドメインが詐称されていないかどうかを確認する。
ウ:問合せ時の送信元ポート番号をランダム化することによって, DNS キャッシュサーバに偽の情報がキャッシュされる確率を大幅に低減させる。(正解)
エ:プレースホルダを用いたエスケープ処理を行うことによって, 不正な SQL 構文による DNS リソースレコードの書換えを防ぐ。
解説
DNS に対するカミンスキー攻撃 (Kaminsky's attack) への対策はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:カミンスキー攻撃対策には問い合わせ時の送信元ポート番号のランダム化が有効です。
- 根拠:攻撃はDNSキャッシュポイズニングを狙い、予測可能なポート番号を悪用するため、ランダム化で攻撃成功率を下げます。
- 差がつくポイント:単なるサーバ冗長化やメール認証技術はDNSキャッシュ汚染防止には直接関係しません。SQLインジェクション対策も別分野です。
正解の理由
カミンスキー攻撃はDNSキャッシュサーバに偽の情報を注入し、ユーザーを偽サイトに誘導する攻撃です。攻撃者はDNS問い合わせの送信元ポート番号が固定または予測可能であることを利用し、偽の応答を高速に送り込むことでキャッシュを汚染します。
したがって、送信元ポート番号をランダム化することで、攻撃者が正しいポート番号を予測しにくくなり、攻撃成功率を大幅に低減できます。これが最も効果的な対策です。
したがって、送信元ポート番号をランダム化することで、攻撃者が正しいポート番号を予測しにくくなり、攻撃成功率を大幅に低減できます。これが最も効果的な対策です。
よくある誤解
DNSサーバの冗長化は可用性向上には役立ちますが、キャッシュポイズニング攻撃の防止には直接効果がありません。
また、SPFはメール送信元の詐称防止技術であり、DNSのキャッシュ汚染とは無関係です。
また、SPFはメール送信元の詐称防止技術であり、DNSのキャッシュ汚染とは無関係です。
解法ステップ
- 問題文の「カミンスキー攻撃」がDNSキャッシュポイズニング攻撃であることを理解する。
- 攻撃の手法として「送信元ポート番号の予測」が鍵であることを確認する。
- 選択肢の中で「送信元ポート番号のランダム化」を含むものを探す。
- 他の選択肢が攻撃内容に直接関係しないことを確認し、正解を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 冗長構成はサーバの可用性向上策であり、攻撃の防止策ではありません。
- イ: SPFはメール送信元の詐称防止技術で、DNSキャッシュ汚染とは無関係です。
- ウ: 問い合わせ時の送信元ポート番号をランダム化し、攻撃成功率を下げるため正解です。
- エ: SQLインジェクション対策はWebアプリケーションの問題であり、DNSのキャッシュ汚染防止とは関係ありません。
補足コラム
カミンスキー攻撃は2008年に発見され、DNSの脆弱性を突く代表的な攻撃です。
この攻撃を受けて、DNSサーバソフトウェアは送信元ポートのランダム化やトランザクションIDの強化を実装しました。
また、DNSSEC(DNS Security Extensions)を導入することで、DNS応答の正当性を検証し、キャッシュポイズニングを根本的に防ぐことも推奨されています。
この攻撃を受けて、DNSサーバソフトウェアは送信元ポートのランダム化やトランザクションIDの強化を実装しました。
また、DNSSEC(DNS Security Extensions)を導入することで、DNS応答の正当性を検証し、キャッシュポイズニングを根本的に防ぐことも推奨されています。
FAQ
Q: カミンスキー攻撃はどのようにDNSを攻撃するのですか?
A: DNS問い合わせの送信元ポート番号やトランザクションIDを予測し、偽の応答をDNSキャッシュに注入します。
A: DNS問い合わせの送信元ポート番号やトランザクションIDを予測し、偽の応答をDNSキャッシュに注入します。
Q: SPFはDNS攻撃対策に役立ちますか?
A: いいえ。SPFはメール送信元の詐称防止技術であり、DNSキャッシュ汚染とは無関係です。
A: いいえ。SPFはメール送信元の詐称防止技術であり、DNSキャッシュ汚染とは無関係です。
Q: DNSSECはカミンスキー攻撃に対して有効ですか?
A: はい。DNSSECはDNS応答の署名検証を行い、偽の情報注入を防止します。
A: はい。DNSSECはDNS応答の署名検証を行い、偽の情報注入を防止します。
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