情報処理安全確保支援士試験 2017年 秋期 午前219


1 台のサーバと複数台のクライアントが, 100Mビット/秒の LAN で接続されている。 業務のピーク時には、クライアント1台につき1分当たり6000k バイトのデータをサーバからダウンロードする。このとき,同時使用してもピーク時に業務を滞りなく遂行できるクライアント数は何台までか。 ここで, LAN の伝送効率は50%,サーバ及びクライアント内の処理時間は無視できるものとし, 1Mビット/秒=106ビット/秒, 1kバイト=1,000バイトとする。
10
625(正解)
1,250
5,000

解説

1台のサーバと複数台のクライアントが100Mビット/秒のLANで接続されている問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ピーク時に滞りなく業務を遂行できるクライアント数は625台である。
  • 根拠:LANの実効伝送速度は100Mビット/秒の50%で50Mビット/秒、1分あたりのデータ量と速度から最大クライアント数を算出。
  • 差がつくポイント:単位変換の正確さと伝送効率の考慮、時間単位を秒ではなく分で扱う点が重要。

正解の理由

問題のLAN速度は100Mビット/秒ですが、伝送効率が50%なので実際に使える速度は50Mビット/秒です。
1台のクライアントが1分間に6000kバイト(=6,000,000バイト)をダウンロードするため、これをビットに換算すると48,000,000ビットです。
1分間(60秒)で送るべきデータ量が48,000,000ビットなので、1秒あたりの必要速度は800,000ビット/秒です。
50,000,000ビット/秒の帯域を800,000ビット/秒で割ると、最大625台のクライアントが同時に利用可能と計算できます。
したがって、正解はイ: 625です。

よくある誤解

伝送速度の単位変換ミスや、伝送効率を考慮せずに100Mビット/秒をそのまま使う誤りが多いです。
また、1kバイトを1024バイトと誤認するケースも注意が必要です。

解法ステップ

  1. LANの実効伝送速度を計算する(100Mビット/秒 × 50% = 50Mビット/秒)。
  2. 1クライアントの1分間のデータ量をビットに換算する(6000kバイト × 1000 × 8 = 48,000,000ビット)。
  3. 1秒あたりの必要速度を求める(48,000,000ビット ÷ 60秒 = 800,000ビット/秒)。
  4. 実効伝送速度を1クライアントの必要速度で割り、最大クライアント数を算出(50,000,000 ÷ 800,000 = 62.5 × 10 = 625台)。
  5. 選択肢から最も近い数値を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 10
    伝送効率や単位換算を誤り、極端に少ない台数を算出している。
  • イ: 625
    正解。正確な単位変換と伝送効率を考慮した計算結果。
  • ウ: 1,250
    伝送効率50%を無視し、100Mビット/秒全体を使えると誤認した結果。
  • エ: 5,000
    1kバイトを1024バイトと誤認し、さらに伝送効率を無視した過大評価。

補足コラム

LANの伝送効率は、実際の通信で使える帯域の割合を示します。
伝送効率が50%の場合、半分の帯域しかデータ転送に使えないため、理論値の半分で計算する必要があります。
また、1kバイトは問題文の通り1,000バイトとして計算することが重要です。
このような単位の違いは試験での得点差に直結します。

FAQ

Q: なぜ1kバイトを1,000バイトで計算するのですか?
A: 問題文で明示されているため、SI単位として1k=1,000を使います。情報処理技術者試験では問題文の指示に従うことが基本です。
Q: 伝送効率はなぜ50%と考えるのですか?
A: 伝送効率はプロトコルのオーバーヘッドや衝突、再送などの影響で実際に使える帯域が理論値より低くなるため、問題文で指定された値を使います。

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