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情報処理安全確保支援士試験 2017年 秋期 午前2 問21
ビッグデータの解析に利用されるニューラルネットワークに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア:誤差逆伝播法 (バックプロパゲーション)は、ニューラルネットワーク全体の重みを調整する手法であり,調整作業は入力層から出力層に向かって行われる。
イ:サポートベクタマシンは機械学習に必要な機能を実現する装置のことであり、ニューラルネットワークで大量計算する際に利用される。
ウ:深層学習(ディープラーニング) に用いられるニューラルネットワークは, 入力層と出力層の間に複数の中間層をもつモデルが利用される。(正解)
エ:中間層を増やしたニューラルネットワークによる訓練データを用いた学習は, 訓練データ以外の未知のデータに対しても高精度な正解が導け,これを過学習(オーバフィッティング)という。
解説
ビッグデータの解析に利用されるニューラルネットワークに関する記述のうち,適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:深層学習では入力層と出力層の間に複数の中間層を持つニューラルネットワークが用いられる。
- 根拠:中間層(隠れ層)が多層であることで複雑な特徴抽出やパターン認識が可能になるため、ビッグデータ解析に適している。
- 差がつくポイント:誤差逆伝播法の伝播方向やサポートベクタマシンの定義、過学習の意味を正確に理解しているかが重要。
正解の理由
選択肢ウは「深層学習に用いられるニューラルネットワークは、入力層と出力層の間に複数の中間層を持つモデルが利用される」と述べています。これはディープラーニングの基本的な特徴であり、多層構造により複雑なデータの特徴を抽出できるため正しいです。
よくある誤解
誤差逆伝播法は入力層からではなく出力層から入力層へ誤差を伝播させて重みを調整します。過学習は未知データに対して精度が低下する現象です。
解法ステップ
- ニューラルネットワークの基本構造(入力層・中間層・出力層)を理解する。
- 誤差逆伝播法の伝播方向を確認する(出力層→入力層)。
- サポートベクタマシンの定義を整理する(機械学習のアルゴリズムの一つ)。
- 過学習の意味を正しく把握する(訓練データに過度適合し未知データに弱い)。
- 選択肢の記述と照らし合わせて正誤を判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 誤差逆伝播法は誤差を出力層から入力層に向かって伝播させて重みを調整するため、伝播方向が逆。
- イ: サポートベクタマシンは機械学習のアルゴリズムであり、装置ではなくニューラルネットワークの補助装置でもない。
- ウ: 正しい。深層学習は複数の中間層を持つニューラルネットワークを用いる。
- エ: 過学習は未知のデータに対して精度が低下する現象であり、高精度になることではない。
補足コラム
深層学習は多層のニューラルネットワークを用いて画像認識や音声認識などの複雑な問題を解決します。誤差逆伝播法はこの多層構造の重みを効率的に更新するための基本的な学習アルゴリズムです。過学習を防ぐためには正則化やドロップアウトなどの手法が用いられます。
FAQ
Q: 誤差逆伝播法はどのように重みを更新しますか?
A: 出力層から入力層に向かって誤差を伝播させ、各層の重みを微調整します。
A: 出力層から入力層に向かって誤差を伝播させ、各層の重みを微調整します。
Q: サポートベクタマシンはニューラルネットワークの一種ですか?
A: いいえ。サポートベクタマシンは別の機械学習アルゴリズムであり、ニューラルネットワークとは異なります。
A: いいえ。サポートベクタマシンは別の機械学習アルゴリズムであり、ニューラルネットワークとは異なります。
Q: 過学習を防ぐ方法はありますか?
A: はい。正則化やドロップアウト、早期終了などの手法で過学習を抑制します。
A: はい。正則化やドロップアウト、早期終了などの手法で過学習を抑制します。
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