情報処理安全確保支援士試験 2017年 秋期 午前224


情報システムの設計のうち, フェールソフトの考え方を適用した例はどれか。
UPS を設置することによって, 停電時に手順どおりにシステムを停止できるようにする。
制御プログラムの障害時に, システムの暴走を避け, 安全に運転を停止できるようにする。
ハードウェアの障害時に、パフォーマンスは低下するが, 構成を縮小して運転を続けられるようにする。(正解)
利用者の誤操作や誤入力を未然に防ぐことによって, システムの誤動作を防止できるようにする。

解説

情報システム設計におけるフェールソフトの考え方【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:フェールソフトとは障害発生時に完全停止せず、機能を限定して運転を継続する設計思想です。
  • 根拠:障害が起きてもシステム全体の停止を避け、部分的に動作を維持し続けることでサービスの継続性を確保します。
  • 差がつくポイント:フェールセーフ(安全停止)との違いを理解し、障害時の動作継続か停止かを正確に区別することが重要です。

正解の理由

選択肢ウは「ハードウェアの障害時にパフォーマンスは低下するが、構成を縮小して運転を続けられる」とあり、これはフェールソフトの典型例です。障害があってもシステムを完全停止せず、機能を限定して動作を継続することでサービスの継続性を保つ設計思想に合致します。

よくある誤解

フェールソフトは「安全に停止する」ことではなく、「障害があっても動作を続ける」ことを指します。安全停止はフェールセーフの考え方です。

解法ステップ

  1. フェールソフトの定義を確認する(障害時に機能限定で動作継続)
  2. 各選択肢の障害時の対応を読み解く
  3. 「停止する」か「動作継続する」かを判別する
  4. 動作継続を示す選択肢を正解とする

選択肢別の誤答解説

  • ア: UPS設置は停電時に安全に停止するための措置であり、フェールセーフの例でフェールソフトではない。
  • イ: 制御プログラム障害時に安全停止するのはフェールセーフの考え方で、動作継続ではない。
  • ウ: ハードウェア障害時に性能低下はあるが運転継続するため、フェールソフトの正解。
  • エ: 利用者の誤操作防止は予防策であり、障害時の動作継続とは直接関係しない。

補足コラム

フェールソフト(Fail-Soft)はシステムの信頼性設計の一つで、障害が発生しても部分的に機能を維持し、サービス停止を回避することを目的とします。一方、フェールセーフ(Fail-Safe)は障害時に安全に停止し、二次被害を防ぐ設計思想です。両者は目的が異なるため混同しないよう注意が必要です。

FAQ

Q: フェールソフトとフェールセーフの違いは何ですか?
A: フェールソフトは障害時に機能を限定して動作を継続し、フェールセーフは安全に停止することを指します。
Q: フェールソフトはどのようなシステムでよく使われますか?
A: 通信システムやサーバーなど、サービスの継続性が重要なシステムで多く採用されます。

関連キーワード: フェールソフト, フェールセーフ, システム信頼性, 障害対応, システム設計
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