ホーム > 情報処理安全確保支援士試験 > 2017年 春期
情報処理安全確保支援士試験 2017年 春期 午前2 問24
データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの2倍にした。このとき,データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア:フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
イ:フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
ウ:フルバックアップ取得の平均処理時間が約2倍になる。
エ:ログ情報を用いて復旧するときの平均処理時間が約2倍になる。(正解)
解説
データベースのバックアップ間隔変更による影響【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:フルバックアップの間隔を2倍にすると、ログ情報を用いた復旧時間が約2倍になる。
- 根拠:フルバックアップ間隔が長くなると、差分ログの量が増え、復旧時に適用するログが増加するため。
- 差がつくポイント:バックアップ容量やフルバックアップ時間ではなく、復旧処理時間の増加に注目することが重要。
正解の理由
フルバックアップの取得間隔を2倍にすると、フルバックアップ間に蓄積されるログ情報の量が増加します。復旧時には最新のフルバックアップからログを適用してデータを復元するため、ログの適用処理にかかる時間が増えます。したがって、ログ情報を用いた復旧の平均処理時間が約2倍になるため、選択肢エが正解です。
よくある誤解
フルバックアップの間隔を長くすると、バックアップ容量やフルバックアップの処理時間が増えると誤解されがちですが、実際には復旧時間への影響が最も大きい点を見落としやすいです。
解法ステップ
- フルバックアップの役割とログバックアップの関係を理解する。
- フルバックアップ間隔が長くなるとログの量が増えることを確認する。
- 復旧時は最新のフルバックアップとその後のログを適用することを思い出す。
- ログ適用処理時間が増えるため、復旧時間が長くなると判断する。
- 選択肢の中で復旧時間の増加を示すものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量は、バックアップ間隔が長くなっても1回分のデータ量は変わらず約2倍にはならない。
- イ: フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が半分になることはなく、間隔変更で容量が減ることはない。
- ウ: フルバックアップ取得の平均処理時間は、バックアップ対象データ量に依存し、間隔が長くなっても1回あたりの処理時間は変わらない。
- エ: ログ情報を用いた復旧時の処理時間は、ログ量に比例して増加するため、間隔を2倍にすると復旧時間も約2倍になる。
補足コラム
バックアップにはフルバックアップと差分バックアップ(または増分バックアップ)があり、フルバックアップは全データを保存します。差分や増分は変更分のみを保存し、復旧時にはフルバックアップと差分・増分ログを組み合わせて復元します。フルバックアップの間隔を長くすると、ログの量が増え復旧時間が長くなるため、運用ポリシーの設計が重要です。
FAQ
Q: フルバックアップの間隔を短くすると何が変わりますか?
A: 復旧時のログ適用量が減るため、復旧時間が短縮されますが、バックアップの頻度が増え運用コストが上がります。
A: 復旧時のログ適用量が減るため、復旧時間が短縮されますが、バックアップの頻度が増え運用コストが上がります。
Q: ログバックアップとは何ですか?
A: データベースの変更履歴を記録したもので、フルバックアップ後の変更分を保存し、復旧時に利用されます。
A: データベースの変更履歴を記録したもので、フルバックアップ後の変更分を保存し、復旧時に利用されます。
関連キーワード: バックアップ, 復旧時間, フルバックアップ, ログバックアップ, データベース運用