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情報処理安全確保支援士試験 2018年 春期 午前2 問18
IPv4 において,IPパケットで送られているデータが ICMP メッセージであることを識別できるヘッダ情報はどれか。
ア:IPヘッダのプロトコル番号(正解)
イ:MAC ヘッダのイーサタイプ値
ウ:TCP ヘッダのコントロールフラグ
エ:UDP ヘッダの宛先ポート番号
解説
IPv4(Internet Protocol version 4)におけるパケットの構造を理解することが、ICMPメッセージを識別するポイントになります。
IPパケットとICMPの関係
IPパケットは、主に以下の2つの部分から構成されています。
- IPヘッダ:パケットのルーティングや識別に必要な情報が入っています。
- ペイロード(データ部分):実際の通信データや上位層のプロトコルのヘッダ・データが入ります。
ICMP(Internet Control Message Protocol)は、ネットワークの制御メッセージを運ぶプロトコルで、IPパケットのペイロード部分に載ります。つまり、ICMP自体は上位層のプロトコルの一つとしてIPパケットに含まれています。
どこで「ICMPのデータであること」を判別するか?
IPヘッダには、「プロトコル番号」を示すフィールドがあります。このフィールドは、IPパケットのペイロードにどの上位プロトコルのデータが含まれているかを示します。
- プロトコル番号 1:ICMP
- プロトコル番号 6:TCP
- プロトコル番号 17:UDP
したがって、ICMPメッセージだと識別するにはIPヘッダ内のプロトコル番号を見る必要があります。
選択肢の解説
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ア: IPヘッダのプロトコル番号これが正解です。ICMPであるかどうかは、IPヘッダの「プロトコル番号」(Protocol Number)が1であることで判別可能です。
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イ: MACヘッダのイーサタイプ値イーサタイプはデータリンク層(イーサネット)で使用され、IPパケットがどの上位層プロトコルかを示すものであって、ICMPかどうかの判別はできません。
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ウ: TCPヘッダのコントロールフラグTCPのコントロールフラグはTCPパケット内の制御情報であり、ICMPとは関係ありません。
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エ: UDPヘッダの宛先ポート番号UDPのポート番号はUDP通信の識別に使いますが、ICMPはUDPの上位層ではなく、UDPヘッダ自体も存在しません。
まとめ
ICMPメッセージは、IPパケットのペイロード部分に載っており、その識別は「IPヘッダのプロトコル番号」で行います。この番号がであれば、そのパケットはICMPのメッセージを運んでいることが分かります。したがって、正解は「ア」です。