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情報処理安全確保支援士試験 2018年 春期 午前2 問20
WebDAV の特徴はどれか。
ア:HTTP上の SOAP によってソフトウェア同士が通信して, ネットワーク上に分散したアプリケーションを連携させることができる。
イ:HTTPを拡張したプロトコルを使って, サーバ上のファイルの参照,作成、削除及びバージョン管理が行える。(正解)
ウ:Webアプリケーションから IMAPサーバにアクセスして,Webブラウザから添付ファイルを含む電子メールの操作ができる。
エ:Webブラウザで ftp:// から始まるURLを指定して, ソフトウェアなどの大きなファイルのダウンロードができる。
解説
WebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)は、HTTPプロトコルを拡張して、Web上でファイルの管理や共有を容易にするための技術です。以下にWebDAVの特徴をわかりやすく解説します。
WebDAVの特徴
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HTTPをベースに拡張されたプロトコル
WebDAVは通常のHTTPに新たなメソッドやヘッダを追加する形で実現されています。これにより、サーバ上のファイルを単にダウンロードするだけでなく、参照・作成・削除やバージョン管理などの操作を行うことが可能です。 -
ファイル管理のリモート操作が可能
文書の共同編集やバージョン管理が必要な環境で特に有効です。たとえば、遠隔地にあるサーバのフォルダをネットワークドライブのように扱い、更新や削除、フォルダ作成といった操作ができます。 -
バージョン管理のサポート
これにより複数人での編集時に、変更履歴を追跡したり元に戻したりすることができます。WebDAVは単なるファイル転送以上の機能を持つため、グループウェアやコラボレーションツールで利用されています。
選択肢の解説
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ア: HTTP上のSOAPによる通信
これは主にWebサービスの仕組みであり、WebDAVの機能とは異なります。 -
イ: HTTP拡張プロトコルを使ってサーバ上のファイル操作やバージョン管理
これがWebDAVの正しい特徴です。 -
ウ: WebアプリケーションからIMAPサーバにアクセス
これは電子メールの操作に関するもので、WebDAVとは関係ありません。 -
エ: Webブラウザでftp://から始まるURLを使ったファイルダウンロード
FTPによるファイル転送の話で、WebDAVとは別の技術です。
まとめ
WebDAVは
- HTTPの機能を拡張しているため、既存のHTTP基盤と相性が良い
- クライアントからサーバ上のファイルやディレクトリを参照したり編集したりできる
- バージョン管理の機能を持ち、文書の共同編集に適している
という特徴を持っています。したがって、正解はイとなります。