情報処理安全確保支援士試験 2018年 春期 午前224


サービス提供時間帯が毎日0〜24時のITサービスにおいて,ある年の4月1日0時から6月30日24時までのシステム停止状況は表のとおりであった。システムバージョンアップ作業に伴う停止時間は計画停止時間として顧客との間で合意されている。このとき,4月1日から6月30日までのITサービスの可用性は何%か。ここで,可用性(%)は小数第3位を四捨五入することとする。
問題画像
95.52
95.70
99.52(正解)
99.63

解説

ITサービスの可用性計算問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:4月1日0時から6月30日24時までの可用性は約99.52%である。
  • 根拠:総時間から計画停止時間を除いた稼働可能時間に対し、実際の停止時間(計画停止を除く)を差し引いて計算する。
  • 差がつくポイント:計画停止時間は可用性計算から除外し、停止時間の合計を正確に算出することが重要である。

正解の理由

可用性は「稼働時間 ÷ 総時間 × 100」で求めるが、計画停止時間は顧客と合意済みのため、停止時間から除外する必要があります。
今回の期間は4月1日0時から6月30日24時までの91日間(4月30日+5月31日+6月30日=91日)で、総時間は 91×24=218491 \times 24 = 2184 時間です。
停止時間は、計画停止(システムバージョンアップ作業84時間)を除き、ハードウェア故障の10時間のみが実質的な停止時間です。
よって、可用性は
218410218484×100=21742100×100103.52%\frac{2184 - 10}{2184 - 84} \times 100 = \frac{2174}{2100} \times 100 \approx 103.52\%
となり、一見100%を超えますが、計画停止時間は稼働可能時間から除くため、正しくは
21841084218484×100=20902100×10099.52%\frac{2184 - 10 - 84}{2184 - 84} \times 100 = \frac{2090}{2100} \times 100 \approx 99.52\%
となり、選択肢の中でウの99.52%が正解です。

よくある誤解

計画停止時間を停止時間に含めてしまい、可用性を過小評価する誤りが多いです。
また、期間の日数や時間を正確に計算しないと誤差が生じます。

解法ステップ

  1. 期間の総時間を計算する(4月1日0時~6月30日24時=91日×24時間=2184時間)。
  2. 計画停止時間(84時間)を総時間から除外し、稼働可能時間を求める。
  3. 計画停止時間を除いた実際の停止時間(ハードウェア故障10時間)を確認する。
  4. 可用性を「(稼働可能時間-実停止時間) ÷ 稼働可能時間 × 100」で計算する。
  5. 小数第3位を四捨五入して答えを求める。

選択肢別の誤答解説

  • ア(95.52%):計画停止時間を停止時間に含めて計算し、可用性を過小評価した結果。
  • イ(95.70%):計算期間や停止時間の合計を誤り、誤った分母や分子を用いた可能性がある。
  • ウ(99.52%):正しく計画停止時間を除外し、正確に計算した結果。
  • エ(99.63%):計算期間の時間数や停止時間の取り扱いに微小な誤差があるため、正解ではない。

補足コラム

可用性はITサービスの信頼性を示す重要指標であり、計画停止時間(メンテナンスなど)は通常、サービスレベル合意(SLA)で除外されます。
そのため、計画停止を含めて計算するとサービスの実態を正しく評価できません。
また、可用性は一般にパーセントで表し、小数点以下の処理も正確に行う必要があります。

FAQ

Q: 計画停止時間はなぜ可用性計算から除外するのですか?
A: 顧客と合意済みの停止時間であり、サービスの正常な運用範囲として扱うため、可用性評価から除外します。
Q: 期間の時間数はどうやって計算すればよいですか?
A: 日数×24時間で計算し、開始・終了日時の取り扱いに注意して正確に算出します。
Q: 可用性が100%を超えることはありますか?
A: 計画停止時間を除外した稼働可能時間に対して停止時間が少ない場合、理論上100%を超える計算になることがありますが、実際は100%が上限です。

関連キーワード: 可用性, 計画停止時間, システム停止時間, ITサービス, SLA, 稼働時間計算
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ