情報処理安全確保支援士試験 2019年 秋期 午前216


IEEE 802.1X で使われる EAP-TLS が行う認証はどれか。
CHAP を用いたチャレンジレスポンスによる利用者認証。
あらかじめ登録した共通鍵によるサーバ認証と,時刻同期のワンタイムパスワードによる利用者認証。
ディジタル証明書による認証サーバとクライアントの相互認証。(正解)
利用者IDとパスワードによる利用者認証。

解説

IEEE 802.1X で使われる EAP-TLS が行う認証はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:EAP-TLSはディジタル証明書を用いて認証サーバとクライアントの相互認証を行います。
  • 根拠:EAP-TLSはTLSプロトコルを利用し、証明書ベースの強固な認証を実現するため、双方の身元確認が可能です。
  • 差がつくポイント:共通鍵やパスワード認証と異なり、証明書を使うためなりすまし防止に優れ、IEEE 802.1Xのネットワークアクセス制御に最適です。

正解の理由

EAP-TLSはExtensible Authentication Protocolの一種で、TLS(Transport Layer Security)を利用して認証を行います。TLSの特徴は公開鍵基盤(PKI)を用いたディジタル証明書による認証であり、これにより認証サーバとクライアントの双方が相手の正当性を検証できます。IEEE 802.1Xの認証方式として広く採用されているのは、この強固な相互認証機能があるためです。したがって、「ウ: ディジタル証明書による認証サーバとクライアントの相互認証。」が正解となります。

よくある誤解

EAP-TLSはパスワードや共通鍵を使った認証方式ではなく、証明書を用いるため設定や運用が複雑ですが、その分セキュリティが高い点を誤解しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文の「IEEE 802.1X」と「EAP-TLS」に注目する。
  2. EAP-TLSがTLSを利用した認証方式であることを思い出す。
  3. TLSは公開鍵証明書を使い、相互認証が可能な点を確認する。
  4. 選択肢の中で証明書を使った相互認証を示すものを選ぶ。
  5. 「ウ」が該当するため正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: CHAPはチャレンジレスポンス方式でパスワードベースの認証であり、EAP-TLSとは異なります。
  • イ: 共通鍵とワンタイムパスワードはEAP-TTLSやPEAPなど別の認証方式で使われることが多く、EAP-TLSの特徴ではありません。
  • ウ: ディジタル証明書による認証サーバとクライアントの相互認証。→ 正解です。
  • エ: 利用者IDとパスワードはEAP-MD5などの簡易認証方式であり、TLSの証明書認証とは異なります。

補足コラム

IEEE 802.1Xはネットワークアクセス制御の標準規格で、EAP(Extensible Authentication Protocol)を利用して多様な認証方式をサポートします。EAP-TLSはその中でも最も安全性が高い方式の一つで、企業ネットワークや無線LANの認証に広く使われています。証明書の管理が必要ですが、なりすましや盗聴に強いのが特徴です。

FAQ

Q: EAP-TLSとEAP-MD5の違いは何ですか?
A: EAP-TLSは証明書を使った相互認証で強固ですが、EAP-MD5はパスワードベースの片方向認証でセキュリティが低いです。
Q: なぜ相互認証が重要なのですか?
A: クライアントだけでなくサーバも認証することで、なりすましや中間者攻撃を防止し安全性を高めます。

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