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情報処理安全確保支援士試験 2019年 秋期 午前2 問19
IPv4 ネットワークにおいて,IPパケットの分割処理と,分割されたパケットを元に戻す再構築処理に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア:IPパケットの再構築処理は宛先のホストで行われる。(正解)
イ:IPパケットの再構築処理は中継するルータで行われる。
ウ:IPパケットの分割処理は送信元のホストだけで行われる。
エ:IPパケットの分割処理は中継するルータだけで行われる。
解説
IPv4ネットワークにおけるIPパケットの分割と再構築【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:IPパケットの再構築処理は宛先のホストで行われるため、正解はアです。
- 根拠:IPv4ではパケットの分割(フラグメンテーション)は送信元ホストまたは途中のルータで行われますが、再構築(リアセンブリ)は必ず宛先ホストで実施されます。
- 差がつくポイント:分割処理と再構築処理の役割分担を正確に理解し、どこで処理が行われるかを区別できることが重要です。
正解の理由
IPパケットは、ネットワークのMTU(最大転送単位)を超える場合に分割されます。この分割処理は送信元ホストや途中のルータで行われることがありますが、分割されたパケットを元に戻す再構築処理は必ず宛先のホストで行われます。中継ルータは再構築を行わず、分割されたパケットをそのまま転送します。したがって「ア: IPパケットの再構築処理は宛先のホストで行われる。」が正解です。
よくある誤解
ルータが分割したパケットを再構築すると誤解されがちですが、ルータは再構築を行わず、宛先ホストが全ての断片を受け取ってから再構築します。
解法ステップ
- IPパケットの分割(フラグメンテーション)がどこで行われるかを確認する。
- IPパケットの再構築(リアセンブリ)がどこで行われるかを理解する。
- 選択肢の中で再構築処理が宛先ホストで行われるものを選ぶ。
- ルータは分割はできるが再構築はしないことを念頭に置く。
- 送信元ホストだけで分割が行われるわけではないことも確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: IPパケットの再構築処理は宛先のホストで行われる。 → 正解。再構築は宛先ホストの役割。
- イ: IPパケットの再構築処理は中継するルータで行われる。 → 誤り。ルータは再構築せず断片を転送するだけ。
- ウ: IPパケットの分割処理は送信元のホストだけで行われる。 → 誤り。ルータも分割処理を行う場合がある。
- エ: IPパケットの分割処理は中継するルータだけで行われる。 → 誤り。送信元ホストも分割処理を行う。
補足コラム
IPv4のフラグメンテーションは、パケットがMTUを超えた場合に分割されます。分割されたパケットは「フラグメント」と呼ばれ、それぞれに識別子やオフセット情報が付与されます。これにより宛先ホストは正しい順序で再構築できます。IPv6ではフラグメンテーションの仕組みが異なり、ルータでの分割は行われません。
FAQ
Q: なぜルータは再構築を行わないのですか?
A: ルータはパケット転送の高速化を目的としており、再構築処理は負荷が高いため宛先ホストに任せています。
A: ルータはパケット転送の高速化を目的としており、再構築処理は負荷が高いため宛先ホストに任せています。
Q: 送信元ホストが分割処理を行う場合とは?
A: 送信元ホストが送信時にMTUを超えるパケットを検知した場合、自身で分割して送信します。
A: 送信元ホストが送信時にMTUを超えるパケットを検知した場合、自身で分割して送信します。
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