情報処理安全確保支援士試験 2019年 秋期 午前220


TCP に関する記述のうち,適切なものはどれか。
OSI基本参照モデルのネットワーク層の機能である。
ウィンドウ制御の単位は,バイトではなくビットである。
確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う。(正解)
データの順序番号をもたないので,データは受信した順番のままで処理する。

解説

TCP に関する記述のうち,適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:TCPは確認応答がない場合に再送処理を行い、信頼性の高い通信を実現します。
  • 根拠:TCPはコネクション型のプロトコルで、データの正確な到達を保証するために確認応答(ACK)を用います。
  • 差がつくポイント:TCPのウィンドウ制御はバイト単位で行われ、順序番号も付与されるため、順序通りのデータ処理が可能です。

正解の理由

選択肢ウ「確認応答がない場合は再送処理によってデータ回復を行う。」はTCPの基本的な特徴を正しく表しています。TCPは送信したデータに対して受信側から確認応答(ACK)を受け取ることで通信の信頼性を確保し、ACKが返ってこない場合は再送を行いデータの欠落を防ぎます。

よくある誤解

TCPのウィンドウ制御はビット単位ではなくバイト単位で行われるため、ビット単位と誤解しやすい点に注意が必要です。
また、TCPはOSI参照モデルのトランスポート層に属し、ネットワーク層の機能ではありません。

解法ステップ

  1. TCPの役割と特徴を理解する(信頼性のある通信を提供)。
  2. OSI参照モデルの層ごとの役割を確認する(TCPはトランスポート層)。
  3. ウィンドウ制御の単位がバイトであることを覚える。
  4. 確認応答(ACK)と再送処理の関係を把握する。
  5. 順序番号が付与されているため、データは順序通りに処理されることを確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: TCPはOSI基本参照モデルのトランスポート層のプロトコルであり、ネットワーク層の機能ではありません。
  • イ: TCPのウィンドウ制御はバイト単位で行われ、ビット単位ではありません。
  • ウ: 確認応答がない場合に再送処理を行うことで信頼性を確保する、正しい記述です。
  • エ: TCPはデータに順序番号を付与し、受信した順序に関係なく正しい順序で処理します。

補足コラム

TCP(Transmission Control Protocol)は、インターネットの基盤となるプロトコルの一つで、信頼性の高い通信を実現します。確認応答や再送制御、フロー制御(ウィンドウ制御)、輻輳制御などの機能を持ち、データの順序保証や誤り検出も行います。これに対し、UDPはコネクションレスで信頼性保証がありません。

FAQ

Q: TCPのウィンドウ制御はなぜバイト単位なのですか?
A: TCPは送信データをバイトストリームとして扱うため、ウィンドウ制御もバイト単位で行い、効率的なフロー制御を実現しています。
Q: 確認応答がない場合、TCPはどのように対応しますか?
A: 一定時間内にACKが返ってこない場合、TCPは該当データを再送し、通信の信頼性を保ちます。

関連キーワード: TCP, 確認応答, 再送制御, ウィンドウ制御, OSI参照モデル, トランスポート層, 順序番号
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