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情報処理安全確保支援士試験 2019年秋期午前2 問21

JSON 形式で表現される図 1,図2のような商品データを複数の Web サービスから取得し,商品データベースとして蓄積する際のデータの格納方法に関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,商品データの取得元となる Web サービスは随時変更され,項目数や内容は予測できない。したがって,商品データベースの検索時に使用するキーにはあらかじめ制限を設けない。

ア：階層型データベースを使用し,項目名を上位階層とし,値を下位階層とした2階層でデータを格納する。

イ：グラフ型データベースを使用し,商品データの項目名の集合から成るノードと値の集合から成るノードを作り,二つのノードを関係づけたグラフとしてデータを格納する。

ウ：ドキュメント型データベースを使用し,項目構成の違いを区別せず,商品データ単位にデータを格納する。（正解）

エ：リレーショナルデータベースを使用し、商品データの各項目名を個別の列名とした表を定義してデータを格納する。

解説

JSON形式の商品データ格納方法の選択【午前2 解説】

要点まとめ

結論：項目数や内容が予測できない商品データは、ドキュメント型データベースで商品単位に格納するのが最適です。
根拠：ドキュメント型DBはスキーマレスで柔軟に異なる構造のJSONデータを扱え、項目の制限が不要な要件に合致します。
差がつくポイント：リレーショナルDBは固定スキーマで項目の追加・変更に弱く、階層型やグラフ型DBは今回の用途に過剰かつ複雑です。

正解の理由

選択肢ウの「ドキュメント型データベースを使用し、項目構成の違いを区別せず商品データ単位に格納する」は、JSONのような柔軟な構造を持つデータをそのまま保存できるため適切です。
商品データの取得元が随時変わり、項目数や内容が予測できないため、スキーマレスなドキュメント型DBが最も効率的かつ拡張性に優れています。

よくある誤解

リレーショナルDBは万能と思われがちですが、スキーマ変更が頻繁な場合は管理が煩雑になります。
また、グラフ型DBは関係性の複雑なデータに強いですが、単純な商品データの格納には過剰です。

解法ステップ

問題文から「項目数や内容が予測できない」「キーに制限を設けない」ことを確認する。
JSON形式のデータをそのまま格納できる柔軟なDBを検討する。
リレーショナルDBは固定スキーマのため不向きと判断。
階層型DBは2階層に限定されており、複雑なJSONには対応しづらい。
グラフ型DBはノードとエッジの関係性管理に特化し、単純な商品データには過剰。
ドキュメント型DBはスキーマレスでJSONをそのまま格納可能なため最適。
よって選択肢ウが正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

ア: 階層型DBは2階層構造に限定されるため、複雑で多様なJSONデータの格納に不向きです。
イ: グラフ型DBはノード間の関係性を重視するが、商品データの単純な属性管理には過剰で運用が複雑になります。
ウ: ドキュメント型DBはJSONのような柔軟な構造をそのまま格納でき、項目の違いを気にせず扱えるため最適です。
エ: リレーショナルDBは固定スキーマで項目名を列に固定するため、項目の追加や変更が頻繁な場合に対応困難です。

補足コラム

ドキュメント型データベースはMongoDBやCouchDBが代表例で、JSONやBSON形式のドキュメントをネイティブに扱います。
スキーマレス設計により、異なる構造のデータを同じコレクションに格納でき、Webサービスの多様なデータ取得に適しています。
一方、リレーショナルDBは厳密なスキーマ管理が必要で、データの整合性は高いものの柔軟性に欠けます。

FAQ

Q: JSONデータをリレーショナルDBに格納する方法は？
A: JSONを文字列として格納するか、正規化して複数テーブルに分割しますが、項目変更に弱く管理が煩雑です。

Q: グラフ型データベースはどんな用途に向いていますか？
A: 複雑な関係性やネットワーク構造を持つデータの分析や推薦システムに適しています。

Q: ドキュメント型DBのデメリットはありますか？
A: スキーマレスのため、データの一貫性や整合性をアプリケーション側で管理する必要があります。

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