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情報処理安全確保支援士試験 2019年 秋期 午前2 問24
情報システムの設計の例のうち,フェールソフトの考え方を適用した例はどれか。
ア:UPS を設置することによって,停電時に手順どおりにシステムを停止できるようにする。
イ:制御プログラムの障害時に,システムの暴走を避け、安全に運転を停止できるようにする。
ウ:ハードウェアの障害時に,パフォーマンスは低下するが,構成を縮小して運転を続けられるようにする。(正解)
エ:利用者の誤操作や誤入力を未然に防ぐことによって,システムの誤動作を防止できるようにする。
解説
情報システムの設計におけるフェールソフトの考え方【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:フェールソフトは障害発生時に機能を縮小しても継続運転を可能にする設計思想です。
- 根拠:障害が起きても完全停止せず、性能低下を許容しつつシステムを動かし続ける点が特徴です。
- 差がつくポイント:単に安全停止や誤操作防止ではなく、障害後も動作継続を目指す設計かどうかを見極めることです。
正解の理由
選択肢ウは「ハードウェア障害時にパフォーマンス低下を許容しつつ、構成を縮小して運転を続ける」とあります。これはまさにフェールソフトの定義に合致します。フェールソフトは障害が発生してもシステムを完全停止させず、機能を限定しながらもサービスを継続する設計思想です。したがって、ウが正解です。
よくある誤解
フェールセーフと混同しやすいですが、フェールセーフは障害時に安全に停止することを指し、フェールソフトは動作継続を重視します。
解法ステップ
- フェールソフトの定義を確認する(障害時に機能を縮小して継続運転)。
- 各選択肢の内容をフェールソフトの定義と照らし合わせる。
- 停電時の安全停止や誤操作防止はフェールソフトではないと判断する。
- 構成縮小して運転継続する選択肢を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア:UPS設置は停電時の安全停止を目的とし、フェールセーフに近い。フェールソフトではない。
- イ:制御プログラムの障害時に安全停止するのはフェールセーフの考え方。
- ウ:障害時に性能低下を許容しつつ運転継続するため、フェールソフトの典型例。
- エ:誤操作防止は予防策であり、障害発生後の動作継続とは異なる。
補足コラム
フェールソフトは主にミッションクリティカルなシステムで採用され、例えば航空機の制御システムや金融取引システムで重要です。障害があってもサービス停止を避けることで、業務継続性を確保します。一方、フェールセーフは安全性重視で、工場の緊急停止装置などに用いられます。
FAQ
Q: フェールソフトとフェールセーフの違いは何ですか?
A: フェールソフトは障害時に機能を縮小しても動作を継続する設計で、フェールセーフは障害時に安全に停止する設計です。
A: フェールソフトは障害時に機能を縮小しても動作を継続する設計で、フェールセーフは障害時に安全に停止する設計です。
Q: フェールソフトはどのようなシステムで使われますか?
A: 航空機制御や金融システムなど、停止が許されない重要システムで使われます。
A: 航空機制御や金融システムなど、停止が許されない重要システムで使われます。
関連キーワード: フェールソフト, フェールセーフ, システム設計, 障害対策, ミッションクリティカル