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情報処理安全確保支援士試験 2019年 春期 午前2 問18
無線LAN の隠れ端末問題の説明として, 適切なものはどれか。
ア:アクセスポイントがSSID ステルス機能を用いてビーコン信号を止めることによって, 端末から利用可能なSSID が分からなくなる問題
イ:端末がアクセスポイントとは通信できるが,他の端末のキャリアを検出できない状況にあり,送信フレームが衝突を起こしやすくなる問題(正解)
ウ:端末が別のアクセスポイントとアソシエーションを確立することによって, その端末が元のアクセスポイントからは見えなくなる問題
エ:複数の端末が同時にフレームを送信したとき, 送信した端末が送信フレームの衝突を検出できない問題
解説
無線LANの隠れ端末問題の説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:隠れ端末問題とは、端末同士が互いの送信を検出できず、送信フレームの衝突が起きやすくなる問題です。
- 根拠:無線LANでは端末が直接通信できても、他の端末の送信を検知できない場合に衝突が発生しやすくなります。
- 差がつくポイント:SSIDステルスやアクセスポイントの切り替えとは異なり、隠れ端末問題は端末間のキャリア検出の不具合に起因する点を正確に理解することが重要です。
正解の理由
選択肢イは「端末がアクセスポイントとは通信できるが、他の端末のキャリアを検出できない状況にあり、送信フレームが衝突を起こしやすくなる問題」と説明しています。これは無線LANの隠れ端末問題の本質を正確に表しています。隠れ端末問題は、端末同士が互いの存在を認識できず、同時送信による衝突が増加するため、通信品質が低下します。
よくある誤解
隠れ端末問題をSSIDの非表示(ステルス)やアクセスポイントの切り替え問題と混同しやすいですが、これらは別の現象です。隠れ端末問題は端末間のキャリア検出の問題に限定されます。
解法ステップ
- 問題文の「隠れ端末問題」の定義を確認する。
- 各選択肢の説明が隠れ端末問題の特徴に合致するか検討する。
- SSIDステルスやアクセスポイント切り替えは隠れ端末問題ではないと判断する。
- 端末間のキャリア検出ができず衝突が起きやすい説明を選ぶ。
- 選択肢イが該当するため正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア:SSIDステルス機能によるビーコン信号停止は隠れ端末問題ではなく、SSIDが見えなくなる問題です。
- イ:正解。端末間のキャリア検出不能による衝突増加を正しく説明しています。
- ウ:アクセスポイントの切り替えによる見えなくなる問題は隠れ端末問題とは異なります。
- エ:送信フレームの衝突検出不能は「隠れ端末問題」ではなく、「隠れ端末問題」による衝突の結果として起こる可能性はありますが、問題の本質説明としては不適切です。
補足コラム
隠れ端末問題は無線LANのCSMA/CA(キャリアセンス多重アクセス/衝突回避)方式の限界に起因します。端末が互いの送信を検知できないため、衝突回避が機能せず通信効率が低下します。これを解決するためにRTS/CTS(リクエスト・トゥ・センド/クリア・トゥ・センド)という制御フレームが用いられます。
FAQ
Q: 隠れ端末問題はどのように発生しますか?
A: 端末同士が互いの送信を検知できず、同時に送信してしまうことで発生します。
A: 端末同士が互いの送信を検知できず、同時に送信してしまうことで発生します。
Q: SSIDステルス機能は隠れ端末問題と関係ありますか?
A: いいえ。SSIDステルスはSSIDを非表示にする機能であり、隠れ端末問題とは別の現象です。
A: いいえ。SSIDステルスはSSIDを非表示にする機能であり、隠れ端末問題とは別の現象です。
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