情報処理安全確保支援士試験 2019年 春期 午前220


ネットワーク管理プロトコルである SNMPv3 で使われる PDU のうち, 事象の発生をエージェントが自発的にマネージャに知らせるために使用するものはどれか。ここで,エージェントとはエージェント相当のエンティティ,マネージャとはマネージャ相当のエンティティを指す。
GetRequest-PDU
SetRequest-PDU
Response-PDU
SNMPv2-Trap-PDU(正解)

解説

ネットワーク管理プロトコル SNMPv3 の PDU【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:エージェントが自発的にマネージャに事象を通知するPDUは「SNMPv2-Trap-PDU」である。
  • 根拠:SNMPのTrapは監視対象の異常やイベントを即時に知らせるための通知メッセージで、マネージャからの要求なしに送信される。
  • 差がつくポイント:GetRequestやSetRequestはマネージャからの要求に対する操作であり、Responseは応答。Trapだけがエージェント発信の通知である点を理解すること。

正解の理由

SNMPv3におけるPDUの種類のうち、Trap-PDUはエージェントが監視対象の異常や重要なイベントを検知した際に、マネージャに対して自発的に通知を送るために使われます。これはマネージャからの問い合わせを待たずに送信されるため、リアルタイムの監視に適しています。
一方、GetRequest-PDUやSetRequest-PDUはマネージャからエージェントへの要求メッセージであり、Response-PDUはそれに対する応答です。したがって、エージェントが自発的に通知するPDUは「SNMPv2-Trap-PDU」であるため、選択肢エが正解です。

よくある誤解

Trap-PDUはマネージャからの要求に対する応答ではなく、エージェントからの自発的な通知である点を混同しやすいです。GetRequestやSetRequestは命令系統のメッセージであるため、通知とは異なります。

解法ステップ

  1. SNMPの基本構造を理解する(マネージャとエージェントの役割)。
  2. 各PDUの役割を整理する(GetRequestは情報取得、SetRequestは設定変更、Responseは応答)。
  3. 自発的に通知を送るPDUはTrapであることを確認する。
  4. 問題文の「自発的に知らせる」という条件に合致するPDUを選択する。
  5. 選択肢の中から「SNMPv2-Trap-PDU」を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: GetRequest-PDU
    マネージャがエージェントに情報を要求するメッセージであり、エージェントからの自発的通知ではありません。
  • イ: SetRequest-PDU
    マネージャがエージェントに設定変更を指示するメッセージで、自発的通知とは無関係です。
  • ウ: Response-PDU
    GetRequestやSetRequestに対するエージェントの応答であり、通知ではありません。
  • エ: SNMPv2-Trap-PDU
    エージェントが自発的にマネージャに事象を通知するためのPDUであり、正解です。

補足コラム

SNMPv3はセキュリティ機能が強化されたバージョンで、認証や暗号化が可能です。Trap-PDUは監視システムで重要な役割を果たし、異常検知や障害通知に利用されます。また、Trapの代わりにInform-PDUという確認応答付きの通知もありますが、問題文ではTrapが該当します。

FAQ

Q: SNMPのTrapとInformの違いは何ですか?
A: Trapはエージェントからマネージャへの一方的な通知で、応答を要求しません。Informは通知に対してマネージャから応答が返される確認応答付きの通知です。
Q: なぜGetRequestやSetRequestは自発的通知に使われないのですか?
A: これらはマネージャからエージェントへの要求メッセージであり、エージェントが自発的に送るものではないためです。

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