情報処理安全確保支援士試験 2019年 春期 午前224


データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの2倍にした。このとき, データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
復旧時に行うログ情報の反映の平均処理時間が約2倍になる。(正解)
フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
フルバックアップ取得の平均処理時間が約2倍になる。

解説

データベースのフルバックアップ間隔を2倍にした場合の影響【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:フルバックアップの間隔を2倍にすると、復旧時のログ反映処理時間が約2倍になる。
  • 根拠:バックアップ間隔が長くなると、復旧時に適用すべきログ量が増加し、ログ反映にかかる時間が増えるため。
  • 差がつくポイント:フルバックアップの取得頻度と復旧時のログ適用時間の関係を正しく理解しているかどうか。

正解の理由

フルバックアップの取得間隔を2倍にすると、バックアップ間に蓄積されるログ量が増加します。復旧時には最新のフルバックアップからログを順に反映させる必要があるため、ログ反映にかかる平均処理時間が約2倍に増加します。
一方、フルバックアップ1回あたりの磁気テープ使用量や取得時間は変わらず、取得頻度が減るため総使用量は減少します。したがって、「復旧時のログ反映処理時間が約2倍になる」アが正解です。

よくある誤解

フルバックアップの間隔を長くすると、バックアップデータのサイズが増えると思いがちですが、実際は1回あたりのサイズは変わりません。
また、復旧時間が短くなると誤解することもありますが、ログ反映時間が増えるため復旧時間は長くなります。

解法ステップ

  1. フルバックアップの間隔を2倍にする意味を理解する。
  2. バックアップ間に蓄積されるログ量が増えることを確認する。
  3. 復旧時は最新のフルバックアップ+ログ反映が必要であることを思い出す。
  4. ログ反映時間はログ量に比例するため、処理時間が約2倍になると判断する。
  5. フルバックアップ1回あたりのテープ使用量や取得時間は変わらないことを確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 復旧時に行うログ情報の反映の平均処理時間が約2倍になる。
    → 正解。ログ量増加により復旧処理時間が増加するため適切。
  • イ: フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
    → 誤り。1回のフルバックアップサイズは変わらず、取得頻度が減るだけ。
  • ウ: フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
    → 誤り。サイズは変わらないため半分になることはない。
  • エ: フルバックアップ取得の平均処理時間が約2倍になる。
    → 誤り。取得頻度が減るため平均処理時間はむしろ変わらないか減少する。

補足コラム

フルバックアップはデータベース全体の状態を保存するため、取得に時間と容量がかかります。
一方、増分バックアップや差分バックアップは変更分のみを保存し、復旧時の処理時間やバックアップ容量のバランスを調整する手法です。
復旧時間を短縮したい場合は、フルバックアップの間隔を短くし、ログ適用量を減らすことが有効です。

FAQ

Q: フルバックアップの間隔を長くするとバックアップ容量は増えますか?
A: 1回あたりの容量は変わりませんが、取得頻度が減るため総容量は減少します。
Q: 復旧時間はフルバックアップの間隔にどう影響しますか?
A: 間隔が長いほどログ量が増え、復旧時のログ反映処理に時間がかかるため復旧時間は長くなります。

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