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情報処理安全確保支援士試験 2020年 秋期 午前2 問20
複数台のレイヤ2スイッチで構成されるネットワークが複数の経路をもつ場合に,イーサネットフレームのループの発生を防ぐための TCP/IP ネットワークインタフェース層のプロトコルはどれか。
ア:IGMP
イ:RIP
ウ:SIP
エ:スパニングツリープロトコル(正解)
解説
複数台のレイヤ2スイッチで構成されるネットワークのループ防止プロトコル【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:複数のレイヤ2スイッチ間でループを防ぐためにはスパニングツリープロトコル(STP)が用いられます。
- 根拠:STPは冗長経路が存在してもループを検出し、一部の経路をブロックしてループを回避する仕組みを持つためです。
- 差がつくポイント:TCP/IPのネットワーク層ではなく、インタフェース層(レイヤ2)で動作する点と、他の選択肢が異なる階層や用途のプロトコルである点を理解することが重要です。
正解の理由
スパニングツリープロトコル(STP)は、複数のレイヤ2スイッチが冗長経路を持つネットワークで、イーサネットフレームのループを防止するために設計されたプロトコルです。STPはネットワーク内のスイッチ間でブリッジIDやポートコストを交換し、ループが発生しないように論理的にツリー構造を形成します。これにより、ループによるブロードキャストストームやフレームの無限循環を防ぎ、安定した通信を実現します。
よくある誤解
- RIPやIGMPはルーティングやマルチキャスト管理のプロトコルであり、レイヤ2のループ防止には関係ありません。
- SIPは通信制御のプロトコルであり、ネットワークの物理的なループ制御とは無関係です。
解法ステップ
- 問題文から「複数台のレイヤ2スイッチ」「イーサネットフレームのループ防止」というキーワードを抽出する。
- レイヤ2(データリンク層)で動作するプロトコルを選択肢から探す。
- ループ防止に特化したプロトコルが何かを知識から判断する。
- スパニングツリープロトコルが該当するため、これを正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: IGMP
マルチキャストグループ管理のためのプロトコルであり、ループ防止機能はありません。 - イ: RIP
ルーティング情報を交換するプロトコルで、レイヤ3で動作しループ防止には関係しません。 - ウ: SIP
セッション制御プロトコルであり、ネットワークの物理的なループとは無関係です。 - エ: スパニングツリープロトコル
レイヤ2スイッチ間のループを防止するための標準プロトコルで正解です。
補足コラム
スパニングツリープロトコルはIEEE 802.1Dで標準化されており、現在は改良版のRSTP(Rapid STP)やMSTP(Multiple STP)も広く使われています。これらはSTPの欠点である収束時間の遅さを改善し、より高速にループを解消します。ネットワーク設計では冗長性を確保しつつ、STPでループを防ぐことが基本です。
FAQ
Q: スパニングツリープロトコルはどのOSI層で動作しますか?
A: データリンク層(レイヤ2)で動作し、イーサネットフレームのループ防止を行います。
A: データリンク層(レイヤ2)で動作し、イーサネットフレームのループ防止を行います。
Q: RIPとSTPはどのように違いますか?
A: RIPはレイヤ3のルーティングプロトコルで経路選択を行い、STPはレイヤ2でループ防止を行います。役割が異なります。
A: RIPはレイヤ3のルーティングプロトコルで経路選択を行い、STPはレイヤ2でループ防止を行います。役割が異なります。
関連キーワード: スパニングツリープロトコル, ループ防止, レイヤ2スイッチ, イーサネット, TCP/IPネットワークインタフェース層