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情報処理安全確保支援士試験 2021年 秋期 午前2 問24
情報システムの設計の例のうち,フェールソフトの考え方を適用した例はどれか。
ア:UPSを設置することによって,停電時に手順どおりにシステムを停止できるようにする。
イ:制御プログラムの障害時に,システムの暴走を避け,安全に運転を停止できるようにする。
ウ:ハードウェアの障害時に,パフォーマンスは低下するが,構成を縮小して運転を続けられるようにする。(正解)
エ:利用者の誤操作や誤入力を未然に防ぐことによって,システムの誤動作を防止できるようにする。
解説
情報システムの設計におけるフェールソフトの考え方【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:フェールソフトは障害発生時に機能を縮小しつつもシステムを継続稼働させる設計思想です。
- 根拠:完全停止ではなく、部分的な性能低下を許容しながら安全に運用を続けることが特徴です。
- 差がつくポイント:障害時の「停止」ではなく「継続運転」を目指す点を理解し、誤操作防止や安全停止とは区別することが重要です。
正解の理由
選択肢ウは「ハードウェアの障害時にパフォーマンスは低下するが、構成を縮小して運転を続けられるようにする」とあり、これはフェールソフトの典型的な例です。フェールソフトは障害が起きてもシステム全体を停止させず、機能を限定してでも動作を継続させることで、サービスの完全停止を回避します。これにより、システムの信頼性と可用性を高める設計となっています。
よくある誤解
フェールセーフとフェールソフトを混同し、障害時に「安全に停止する」ことをフェールソフトと誤認するケースが多いです。フェールソフトは停止せずに動作継続を目指します。
解法ステップ
- フェールソフトの定義を確認する(障害時に機能を縮小して継続運転)。
- 各選択肢の内容を「停止するか」「継続するか」で分類する。
- 停電時の安全停止(ア)、制御プログラムの安全停止(イ)、誤操作防止(エ)はフェールソフトではないと判断。
- 構成縮小して運転継続(ウ)がフェールソフトの特徴に合致するため正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: UPS設置は停電時の安全停止を支援するフェールセーフの例であり、フェールソフトではありません。
- イ: 制御プログラムの障害時に安全停止するのはフェールセーフの考え方で、動作継続ではありません。
- ウ: ハードウェア障害時に性能低下を許容しつつ運転継続するため、フェールソフトの典型例です。
- エ: 利用者の誤操作防止は予防策であり、障害発生後の動作継続とは異なります。
補足コラム
フェールソフト(Fail-soft)はシステムの一部が故障しても、機能を限定しながら動作を続ける設計思想です。一方、フェールセーフ(Fail-safe)は障害発生時に安全に停止することを重視します。例えば、エレベーターの非常停止や鉄道の信号システムはフェールセーフの例です。フェールソフトは主にITシステムやネットワーク機器で用いられ、サービスの継続性を確保します。
FAQ
Q: フェールソフトとフェールセーフの違いは何ですか?
A: フェールソフトは障害時に機能を縮小して動作継続し、フェールセーフは安全に停止することを指します。
A: フェールソフトは障害時に機能を縮小して動作継続し、フェールセーフは安全に停止することを指します。
Q: フェールソフトのメリットは何ですか?
A: 障害があってもサービスを完全停止せず、利用者への影響を最小限に抑えられる点です。
A: 障害があってもサービスを完全停止せず、利用者への影響を最小限に抑えられる点です。
Q: UPS設置はフェールソフトに該当しますか?
A: いいえ、UPSは停電時の安全停止を支援するフェールセーフの一例です。
A: いいえ、UPSは停電時の安全停止を支援するフェールセーフの一例です。
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