情報処理安全確保支援士試験 2021年 春期 午前218


ETSI(欧州電気通信標準化機構)が提唱するNFV(Network Functions Virtualisation)に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ONF(Open Networking Foundation)が提唱するSDN(Software-Defined Networking)を用いて、仮想化を実現する。
OpenFlowコントローラや OpenFlowスイッチなどの OpenFlowプロトコルの専用機器だけを使ってネットワークを構築する。
ルータ、ファイアウォールなどのネットワーク機能を、汎用サーバを使った仮想マシン上のソフトウェアで実現する。(正解)
ロードバランサ、スイッチ、ルータなどの専用機器を使って、VLAN、VPN などの仮想ネットワークを実現する。

解説

ETSIが提唱するNFV(Network Functions Virtualisation)に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:NFVはルータやファイアウォールなどのネットワーク機能を汎用サーバ上の仮想マシンで実現する技術です。
  • 根拠:ETSIが標準化したNFVは専用ハードウェア依存を減らし、ソフトウェアベースで柔軟にネットワーク機能を提供します。
  • 差がつくポイント:SDNと混同せず、NFVはネットワーク機能の仮想化に特化し、専用機器ではなく汎用サーバを活用する点を押さえましょう。

正解の理由

選択肢ウは、NFVの本質である「ネットワーク機能を専用機器から切り離し、汎用サーバ上の仮想マシンでソフトウェアとして実装する」ことを正確に表現しています。ETSIが提唱するNFVは、ルータやファイアウォールなどの機能をハードウェア依存から解放し、柔軟かつ効率的にネットワークサービスを展開可能にする技術です。

よくある誤解

NFVとSDNを同じものと誤解しやすいですが、NFVはネットワーク機能の仮想化、SDNはネットワーク制御の分離と集中管理を目的としています。OpenFlowはSDNの一部技術であり、NFVの専用技術ではありません。

解法ステップ

  1. NFVの定義を確認し、「ネットワーク機能の仮想化」であることを理解する。
  2. ETSIがNFVを提唱していることを押さえ、専用機器ではなく汎用サーバを使う点に注目する。
  3. SDNやOpenFlowは別技術であることを区別し、選択肢の内容と照合する。
  4. 専用機器を使う選択肢はNFVの特徴と合わないため除外する。
  5. 汎用サーバ上の仮想マシンでネットワーク機能を実現する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ONFが提唱するのはSDNであり、NFVとは異なります。SDNはネットワーク制御の分離に焦点を当てています。
  • イ: OpenFlowはSDNのプロトコルであり、専用機器だけでネットワークを構築するわけではありません。NFVの説明として不適切です。
  • ウ: ルータやファイアウォールなどのネットワーク機能を汎用サーバ上の仮想マシンで実現する点がNFVの本質であり正解です。
  • エ: VLANやVPNは仮想ネットワーク技術ですが、専用機器を使う点がNFVの特徴と異なり誤りです。

補足コラム

NFVはネットワーク機能をソフトウェア化し、クラウド環境やデータセンターでの迅速なサービス展開を可能にします。SDNと組み合わせることで、ネットワークの柔軟性と自動化がさらに向上します。ETSIはNFVの標準化団体として、仕様策定やエコシステムの形成を推進しています。

FAQ

Q: NFVとSDNは同じ技術ですか?
A: いいえ。NFVはネットワーク機能の仮想化、SDNはネットワーク制御の分離と集中管理を目的とした別技術です。
Q: NFVはどのようなメリットがありますか?
A: 専用ハードウェアに依存せず、汎用サーバ上でネットワーク機能を柔軟に展開できるため、コスト削減や迅速なサービス提供が可能です。

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