情報処理安全確保支援士試験 2022年 秋期 午前220


IPネットワークにおいて、クライアントの設定を変えることなくデフォルトゲートウェイの障害を回避するために用いられるプロトコルはどれか。
RARP
RSTP
RTSP
VRRP(正解)

解説

IPネットワークにおいて、クライアントの設定を変えることなくデフォルトゲートウェイの障害を回避するために用いられるプロトコルはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:デフォルトゲートウェイの障害を自動的に回避するにはVRRPが適している。
  • 根拠:VRRPは複数のルータで仮想IPを共有し、障害時に自動でバックアップルータに切り替わるため、クライアントの設定変更が不要。
  • 差がつくポイント:RSTPはスイッチのループ防止、RARPはIPアドレス取得、RTSPはストリーミング制御であり、ゲートウェイ冗長化には使わない点を理解すること。

正解の理由

VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は、複数のルータが1つの仮想ルータとして動作し、仮想IPアドレスを共有します。これにより、プライマリルータが故障してもバックアップルータが自動的に引き継ぎ、クライアント側のデフォルトゲートウェイ設定を変更せずに通信を継続可能です。したがって、デフォルトゲートウェイの障害回避に最適なプロトコルはエのVRRPです。

よくある誤解

RSTPはスイッチのループ防止に使うプロトコルであり、ルータの冗長化には関係ありません。RARPはIPアドレスの割り当てに使う古いプロトコルで、ゲートウェイの冗長化とは無関係です。

解法ステップ

  1. 問題文から「デフォルトゲートウェイの障害回避」と「クライアント設定変更不要」を確認する。
  2. 各選択肢のプロトコルの役割を整理する。
  3. RARPはIPアドレス取得、RSTPはスイッチのループ防止、RTSPはストリーミング制御であることを除外。
  4. VRRPがルータの冗長化を実現し、クライアント設定を変えずに障害回避できることを理解し選択。

選択肢別の誤答解説

  • ア: RARP
    IPアドレスをMACアドレスから取得する古いプロトコルであり、ゲートウェイの冗長化には使わない。
  • イ: RSTP
    スイッチのネットワークループ防止のためのプロトコルで、ルータの冗長化とは無関係。
  • ウ: RTSP
    ストリーミングメディアの制御プロトコルであり、ネットワークの冗長化とは関係がない。
  • エ: VRRP
    複数ルータで仮想IPを共有し、障害時に自動切替が可能なため、デフォルトゲートウェイの障害回避に最適。

補足コラム

VRRPはRFC 5798で規定されており、主にIPv4/IPv6ネットワークで利用されます。CiscoのHSRP(Hot Standby Router Protocol)やGLBP(Gateway Load Balancing Protocol)も類似の冗長化プロトコルですが、VRRPは標準化されているためベンダー間の互換性が高い点が特徴です。

FAQ

Q: VRRPはどのようにして障害を検知するのですか?
A: VRRPは定期的にアドバタイズメントメッセージを送信し、プライマリルータの応答が途絶えた場合にバックアップルータが切り替わります。
Q: クライアントの設定を変更せずに済む理由は何ですか?
A: クライアントは仮想IPアドレスをデフォルトゲートウェイとして設定し、実際のルータはその背後で切り替わるため、クライアント側の設定変更が不要です。

関連キーワード: VRRP, デフォルトゲートウェイ冗長化, ルータ冗長化, ネットワーク障害回避, RSTP, RARP, RTSP
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ