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情報処理安全確保支援士試験 2022年 秋期 午前2 問24
ある業務を新たにシステム化するに当たって、A~Dのシステム化案の初期費用、運用費及びシステム化によって削減される業務費を試算したところ、表のとおりであった。システムの利用期間を5年とするとき、最も投資利益率の高いシステム化案はどれか。ここで、投資利益率は次式によって算出する。また、利益の増加額は削減される業務費から投資額を減じたものとし、投資額は初期費用と運用費の合計とする。
投資利益率 = 利益の増加額 ÷ 投資

ア:A
イ:B
ウ:C
エ:D(正解)
解説
システム化案の投資利益率計算問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:最も投資利益率が高いのはシステム化案Dである。
- 根拠:投資利益率は「利益の増加額 ÷ 投資額」で計算し、利益は削減業務費×5年から初期費用+運用費×5年を引いた値。
- 差がつくポイント:年間費用と削減効果を5年間で合計し、正確に利益と投資額を算出することが重要。単年度だけで判断すると誤る。
正解の理由
システム化案Dは初期費用15百万円、年間運用費5百万円、削減される業務費22百万円である。
5年間の投資額は初期費用15 + 5×5 = 40百万円。
5年間の削減効果は22×5 = 110百万円。
利益の増加額は110 - 40 = 70百万円。
投資利益率は70 ÷ 40 = 1.75で、他案より高い。
この計算により案Dが最も効率的な投資であると判断できる。
5年間の投資額は初期費用15 + 5×5 = 40百万円。
5年間の削減効果は22×5 = 110百万円。
利益の増加額は110 - 40 = 70百万円。
投資利益率は70 ÷ 40 = 1.75で、他案より高い。
この計算により案Dが最も効率的な投資であると判断できる。
よくある誤解
単年度の費用や削減額だけで判断し、5年間の合計を計算しないことが多い。
また、利益の増加額を削減業務費から初期費用だけ引く誤りも見られる。
また、利益の増加額を削減業務費から初期費用だけ引く誤りも見られる。
解法ステップ
- 各案の5年間の投資額を計算する(初期費用+運用費×5年)。
- 各案の5年間の削減される業務費を計算する(削減業務費×5年)。
- 利益の増加額を求める(削減業務費合計-投資額)。
- 投資利益率を計算する(利益の増加額 ÷ 投資額)。
- 投資利益率が最も高い案を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(A案):投資額は30 + 4×5 = 50百万円、削減効果は25×5 = 125百万円。利益は75百万円、利益率1.5でD案より低い。
- イ(B案):投資額は20 + 6×5 = 50百万円、削減効果は20×5 = 100百万円。利益は50百万円、利益率1.0で低い。
- ウ(C案):投資額は20 + 4×5 = 40百万円、削減効果は15×5 = 75百万円。利益は35百万円、利益率0.875で最も低い。
- エ(D案):投資額40百万円、利益70百万円、利益率1.75で最も高い。
補足コラム
投資利益率(Return on Investment, ROI)は投資効率を示す重要指標で、IT投資の評価に広く用いられます。
単年度の費用だけでなく、利用期間全体のコストと効果を正確に把握することが成功の鍵です。
単年度の費用だけでなく、利用期間全体のコストと効果を正確に把握することが成功の鍵です。
FAQ
Q: 投資利益率が高いほど良い理由は?
A: 投資利益率が高いほど、投入した資金に対して得られる利益が大きく、効率的な投資であることを示します。
A: 投資利益率が高いほど、投入した資金に対して得られる利益が大きく、効率的な投資であることを示します。
Q: 利益の増加額はなぜ削減業務費から投資額を引くのですか?
A: 削減業務費は利益の増加分を表し、そこから投資にかかった費用を差し引くことで純利益を算出します。
A: 削減業務費は利益の増加分を表し、そこから投資にかかった費用を差し引くことで純利益を算出します。
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