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情報処理安全確保支援士試験 2022年 春期 午前2 問20
複数台のレイヤ2スイッチで構成されるネットワークが複数の経路をもつ場合に、イーサネットフレームのループが発生することがある。そのループの発生を防ぐためのTCP/IPネットワークインタフェース層のプロトコルはどれか。
ア：IGMP
イ：RIP
ウ：SIP
エ：スパニングツリープロトコル（正解）
解説
複数台のレイヤ2スイッチで構成されるネットワークのループ防止プロトコル【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論：イーサネットフレームのループ防止にはスパニングツリープロトコル（STP）が用いられます。
- 根拠：STPはレイヤ2スイッチ間の冗長経路を制御し、ループを検出してブロックする仕組みを持つためです。
- 差がつくポイント：TCP/IPのインタフェース層（データリンク層）で動作するSTPと、ルーティングやマルチキャスト管理のプロトコルを混同しないことが重要です。
正解の理由
複数のレイヤ2スイッチが冗長経路を持つネットワークでは、イーサネットフレームが無限に回り続けるループが発生する可能性があります。これを防ぐためにIEEE 802.1D規格で定められたスパニングツリープロトコル（STP）が使われます。STPはスイッチ間の物理的なループを論理的に遮断し、ループのないツリー構造を形成します。これによりフレームの二重送信やブロードキャストストームを防止し、安定したネットワーク運用を実現します。
よくある誤解
IGMPはマルチキャストグループ管理、RIPはルーティングプロトコル、SIPはセッション制御のプロトコルであり、いずれもレイヤ2のループ防止には関係ありません。
解法ステップ
- 問題文から「複数台のレイヤ2スイッチ」「イーサネットフレームのループ発生」を確認する。
- ループ防止はレイヤ2（データリンク層）で行うことを理解する。
- 選択肢のプロトコルの役割を整理する（IGMP：マルチキャスト管理、RIP：ルーティング、SIP：セッション制御、STP：ループ防止）。
- ループ防止に特化したプロトコルはスパニングツリープロトコルであると判断する。
- 正解はエと確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: IGMP
マルチキャストグループの管理に使われるプロトコルで、ループ防止機能はありません。 - イ: RIP
ルーティング情報を交換するプロトコルであり、レイヤ3で動作しループ防止とは無関係です。 - ウ: SIP
セッション制御プロトコルであり、ネットワークのループ防止とは関係ありません。 - エ: スパニングツリープロトコル
レイヤ2スイッチ間のループを検出し、論理的に遮断することでループを防止します。
補足コラム
スパニングツリープロトコルはIEEE 802.1Dとして標準化されており、ネットワークの冗長性を保ちながらループを防止する重要な技術です。近年では高速収束や拡張機能を持つRSTP（Rapid STP）やMSTP（Multiple STP）も利用されています。ループ防止はネットワークの安定性に直結するため、基礎知識として必ず押さえておきましょう。
FAQ
Q: スパニングツリープロトコルはどのOSI層で動作しますか？
A: データリンク層（レイヤ2）で動作し、イーサネットフレームのループを防止します。
A: データリンク層（レイヤ2）で動作し、イーサネットフレームのループを防止します。
Q: ルーティングプロトコルのRIPはループ防止に使えますか？
A: RIPはレイヤ3のルーティングプロトコルであり、レイヤ2のフレームループ防止には使いません。
A: RIPはレイヤ3のルーティングプロトコルであり、レイヤ2のフレームループ防止には使いません。
関連キーワード: スパニングツリープロトコル, ループ防止, レイヤ2スイッチ, イーサネットフレーム, TCP/IPネットワーク