情報処理安全確保支援士試験 2023年 春期 午前218


1台のサーバと複数台のクライアントが1Gビット/秒のLANで接続されている。業務のピーク時にはクライアント1台につき1分当たり6Mバイトのデータをサーバからダウンロードする。このとき,同時使用してもピーク時に業務を滞りなく遂行できるクライアント数は何台までか。ここで,LANの伝送効率は50%,サーバ及びクライアント内の処理時間は無視できるものとし,1Gビット/秒=10910^9ビット/秒,1Mバイト=10610^6バイトとする。
10
625(正解)
1,250
5,000

解説

1台のサーバと複数台のクライアントが1Gビット/秒のLANで接続されている問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ピーク時に滞りなく業務を遂行できるクライアント数は625台です。
  • 根拠:LANの実効速度は伝送効率50%を考慮し、1Gビット/秒の半分である500Mビット/秒。
  • 差がつくポイント:単位変換と伝送効率の考慮を正確に行い、1分あたりのデータ量と速度を比較することが重要です。

正解の理由

1Gビット/秒のLANで伝送効率が50%なので、実際に使える帯域は
1×109×0.5=5×108ビット/秒=500Mビット/秒1 \times 10^9 \times 0.5 = 5 \times 10^8 \text{ビット/秒} = 500 \text{Mビット/秒}
クライアント1台あたりのデータ量は1分間に6Mバイト = 6×1066 \times 10^6バイト = 6×106×8=48×1066 \times 10^6 \times 8 = 48 \times 10^6ビット。
1分は60秒なので、1秒あたりの必要帯域は
48×10660=0.8×106=800,000ビット/秒\frac{48 \times 10^6}{60} = 0.8 \times 10^6 = 800,000 \text{ビット/秒}
よって、同時に利用可能なクライアント数は
5×1088×105=625\frac{5 \times 10^8}{8 \times 10^5} = 625
したがって、イ: 625が正解です。

よくある誤解

伝送速度の単位変換や伝送効率の考慮を忘れて、単純に1Gビット/秒を使い計算してしまうことが多いです。
また、1分あたりのデータ量を秒あたりに換算しない誤りもよく見られます。

解法ステップ

  1. LANの実効速度を伝送効率50%で計算する。
  2. クライアント1台あたりの1分間のデータ量をビットに換算する。
  3. 1分を秒に換算し、1秒あたりの必要帯域を求める。
  4. 実効速度を1秒あたりの必要帯域で割り、同時利用可能なクライアント数を算出する。
  5. 選択肢と照合し、最も近い値を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 10
    伝送効率や単位換算を誤り、極端に少ない値を出している。
  • イ: 625
    正確な計算に基づく正解。
  • ウ: 1,250
    伝送効率50%を考慮せず、1Gビット/秒をそのまま使った場合の値。
  • エ: 5,000
    伝送効率も単位換算も無視し、1分あたりのデータ量を秒あたりに換算しない誤り。

補足コラム

伝送効率は実際のネットワークで利用可能な帯域幅を示し、プロトコルのオーバーヘッドや衝突などによる損失を考慮しています。
また、単位変換は情報処理技術者試験で頻出のポイントであり、ビット・バイト、秒・分の換算ミスは致命的です。
正確な計算力を養うことが合格への近道です。

FAQ

Q: 伝送効率が50%とは具体的に何を意味しますか?
A: ネットワークの実際の利用可能帯域が理論値の半分であることを示し、プロトコルのオーバーヘッドや通信の遅延などを含みます。
Q: なぜ1分あたりのデータ量を秒あたりに換算する必要があるのですか?
A: LANの速度は秒あたりのビット数で表されるため、比較するためには単位を揃える必要があります。

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