ホーム > 情報処理安全確保支援士試験 > 2023年 春期
情報処理安全確保支援士試験 2023年 春期 午前2 問24
サービスマネジメントにおける問題管理において実施する活動はどれか。
ア:インシデントの発生後に暫定的にサービスを復旧させ,業務を継続できるようにする。
イ:インシデントの発生後に未知の根本原因を特定し,恒久的な解決策を策定する。(正解)
ウ:インシデントの発生に備えて,復旧のための設計をする。
エ:インシデントの発生を記録し,関係する部署に状況を連絡する。
解説
サービスマネジメントにおける「問題管理」は、ITサービスの品質を維持し、継続的に改善するための重要なプロセスです。問題管理が何を目的としているかを理解すると、正しい活動内容も明確になります。
問題管理とは
問題管理は、インシデント(サービスの中断や障害)が一時的に解決されたあと、その根本原因を調査し、恒久的な解決策を策定して将来的なインシデント発生を防止する活動です。
つまり、問題管理の主な役割は:
- 根本原因の特定
- 恒久的な解決策の計画・実行
- 再発防止
これらの活動を通じて、サービスの安定性を高めることを目的としています。
選択肢の比較
-
ア: インシデントの発生後に暫定的にサービスを復旧させ、業務を継続できるようにする。
これは「インシデント管理」の役割です。インシデント管理は問題の影響を最小限にするため、早急にサービスを復旧させる役割を担っています。 -
イ: インシデントの発生後に未知の根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定する。
これがまさに「問題管理」の活動内容です。インシデント管理でサービスを一旦復旧した後に、根本原因を調査し、問題の恒久対応を進めます。 -
ウ: インシデントの発生に備えて、復旧のための設計をする。
これは「サービス設計」や「BCP(事業継続計画)」に近い活動であり、問題管理の直接的な役割ではありません。 -
エ: インシデントの発生を記録し、関係する部署に状況を連絡する。
これは主にインシデント管理の一部であり、問題管理の核心的活動とは異なります。
まとめ
問題管理は、インシデントから派生した問題の根本原因を分析し、再発防止のための恒久的解決策を導く活動です。サービスを一時的に復旧させるのはインシデント管理の仕事であり、問題管理はその後の深い原因解析と恒久対応がメインとなります。
したがって、この問題の正解は イ となります。