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情報処理安全確保支援士試験 2024年 秋期 午前210


電子メールの受信者側のメールサーバでの送信ドメイン認証が失敗したときの処理方針を送信側のドメイン管理者が指定するための仕組みはどれか。
DKIM
DMARC(正解)
SMTP-AUTH
SPF

解説

電子メールの送信ドメイン認証には複数の技術があり、それぞれ役割が異なります。この問題で問われている「送信ドメイン認証が失敗した場合の処理方針を送信側ドメイン管理者が指定する仕組み」について、各選択肢を踏まえながらわかりやすく解説します。

送信ドメイン認証の基礎知識

送信ドメイン認証は、受信者が受け取ったメールの送信元ドメインが正当かどうかを検証するための仕組みです。これにより、不正な送信(なりすましやフィッシング)を防止できます。
主な技術には以下があります。
  • SPF(Sender Policy Framework): 送信元IPアドレスが送信ドメインによって許可されているかを検証します。
  • DKIM(DomainKeys Identified Mail): 電子署名によりメールの改ざんを防止し、送信ドメインの正当性を保証します。
  • DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance): SPFとDKIMの結果を基に、メールの処理方針(例:受信拒否、隔離、通常受信)を送信ドメイン管理者が指定できる仕組みです。
  • SMTP-AUTH: 送信メールサーバに対して認証を行う仕組みで、送信者の利用権限を確認します。送信ドメイン認証とは異なります。

選択肢の説明と正解理由

  • ア: DKIM
    DKIMはメールに電子署名を付与し、メールが送信ドメインで正しく署名されているかを検証します。認証手段ですが、失敗時の処理方針を指定する役割はありません。
  • イ: DMARC
    SPFやDKIMの認証結果をもとに、メール受信時の処理方針を送信ドメイン管理者が指定できます。例えば、「認証に失敗したメールは破棄する」「隔離する」「通常通り受信する」などの指示が可能です。これにより、ドメインの信頼性を高め、不正利用を効果的に防止できます。さらに、認証結果のレポート送信も可能で、運用面でも非常に有用です。
  • ウ: SMTP-AUTH
    これはメール送信者の認証を行うための手段であり、送信ドメイン認証の失敗時の処理方針とは関係ありません。
  • エ: SPF
    SPFは送信元IPの正当性を検証する機能ですが、認証に失敗した際のメールの扱い(処理方針)を指定する仕組みではありません。

まとめ

  • DMARCは、SPFやDKIMの認証結果を統合し、認証失敗時の具体的な処理方針(拒否・隔離・通過)を送信ドメイン管理者が設定できる仕組みです。
  • SPFやDKIMは認証技術そのものであり、処理方針の指定までは行いません。
  • SMTP-AUTHは送信者認証の方式であり、送信ドメイン認証の失敗処理とは無関係です。
したがって、**メールの送信ドメイン認証失敗時の処理方針を管理者が指定する仕組みは「イ: DMARC」**です。

関連用語の理解が合格のポイント

情報処理技術者試験では、技術の目的や役割を正しく区別して理解することが大切です。
今回のように「認証技術」と「認証結果に基づく方針指定」は異なる概念として押さえておきましょう。
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