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情報処理安全確保支援士試験 2024年 秋期 午前219


IPv4におけるICMPのメッセージに関する説明として、適切なものはどれか。
送信元が設定したソースルーティングが失敗した場合はEcho Replyを返す。
転送されてきたデータグラムを受信したルータがそのネットワークの最適なルータを送信元に通知して経路の変更を要請するにはRedirectを返す。(正解)
フラグメントの再組立て中にタイムアウトが発生した場合はデータグラムを破棄してParameter Problemを返す。
ルータでメッセージを転送する際に送信元が設定したTTLが0になった場合はDestination Unreachableを返す。

解説

情報処理技術者試験のIPv4におけるICMPメッセージに関する問題について、各選択肢の内容を分かりやすく解説します。

ICMP(Internet Control Message Protocol)とは

ICMPは、IPネットワークでエラーメッセージの通知や制御メッセージ(例:到達不能、経路変更の通知など)を行うためのプロトコルです。IPパケットの送受信経路の問題などを通知するために用いられます。

選択肢の説明と正誤判定


ア:送信元が設定したソースルーティングが失敗した場合はEcho Replyを返す。
これは誤りです。
  • Echo Replyは「ping」の応答で使われるメッセージです。
  • ソースルーティングが失敗した場合は、通常はDestination Unreachable(到達不可能)メッセージが返されます。
つまり、経路探索の失敗を示すメッセージとしてEcho Replyは使いません。

イ:転送されてきたデータグラムを受信したルータがそのネットワークの最適なルータを送信元に通知して経路の変更を要請するにはRedirectを返す。
これは正しいです。
  • ICMPのRedirectメッセージは、ルータが受信したパケットの送信元に対し、より適切な次ホップルータを通知する時に使われます。
  • 送信元が間違ったルータを使っていた場合、正しいルータ情報を伝え、通信の効率化を促します。
したがって、経路の最適化や経路情報の修正要請に使うメッセージがRedirectです。

ウ:フラグメントの再組立て中にタイムアウトが発生した場合はデータグラムを破棄してParameter Problemを返す。
これは誤りです。
  • フラグメント再組立てに失敗した場合(例:タイムアウト)には、ICMPのTime Exceeded(時間超過)メッセージが返されます。
  • Parameter Problemは、ヘッダのパラメータに問題がある場合に送られるものです。
したがって、この説明は適切ではありません。

エ:ルータでメッセージを転送する際に送信元が設定したTTLが0になった場合はDestination Unreachableを返す。
これは誤りです。
  • 送信元ホストが設定したTTL(Time To Live)が0になった場合は、Time Exceededメッセージが返されます。
  • Destination Unreachableは、ホストやネットワークが到達不可能な場合に返されるものです。
TTLが0になるのは、「経路途中でパケットが長すぎる経路をたどり続けることを防ぐため」の仕組みで、それに対し返すメッセージはTime Exceeded(時間超過)です。

まとめ

選択肢内容の正誤理由(要点)
×ソースルーティング失敗時にEcho Replyは返さない。
最適ルータを通知し経路修正要請にはRedirectを返す。
×フラグメント再組立失敗はTime Exceededを返す。
×TTL0で返すメッセージはTime ExceededでありDestination Unreachableではない。

ICMPのメッセージ種別と用途を正確に理解することが重要です。特に、
  • Redirect:経路の最適化の通知
  • Time Exceeded:TTL切れや断片再組立てタイムアウト
  • Destination Unreachable:宛先不達やルーティング不可
  • Echo Request/Reply:疎通確認(ping)
これらを区別できるように覚えておくと良いでしょう。
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