情報処理安全確保支援士試験 2025年 春期 午前207


マルウェア Mirai の動作はどれか。
IoT 機器などで動作する Web サーバプログラムの脆弱性を悪用して感染を広げ、Web ページを改ざんし、決められた日時に特定の IP アドレスに対して DDoS 攻撃を行う。
Web サーバプログラムの脆弱性を悪用して企業のWebページに不正な JavaScript を挿入し、当該Webページを閲覧した利用者を不正なWeb サイトへと誘導する。
ファイル共有ソフトを使っている PC 内でマルウェアの実行ファイルを利用者が誤って実行すると、PC 内の情報をインターネット上の Web サイトにアップロードして不特定多数の人に公開する。
ランダムな宛先 IP アドレスを使用して IoT 機器などに感染を広げるとともに、C&Cサーバからの指令に従って標的に対して DDoS 攻撃を行う。(正解)

解説

マルウェア Mirai の動作はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:MiraiはランダムなIPアドレスを狙いIoT機器に感染し、C&Cサーバの指令でDDoS攻撃を行います。
  • 根拠:MiraiはIoT機器の弱いパスワードを狙いボットネットを形成し、攻撃を遠隔操作で実施する特徴があります。
  • 差がつくポイント:感染拡大の手法がランダムスキャンであることと、C&Cサーバによる指令型攻撃である点を押さえましょう。

正解の理由

選択肢エは、Miraiの代表的な動作を正確に表しています。MiraiはIoT機器の脆弱な認証情報を利用してランダムに感染を広げ、感染した機器をボットネット化します。さらに、C&C(Command and Control)サーバからの指令に従い、標的に対して大規模なDDoS攻撃を実行します。この特徴がMiraiの本質であり、選択肢エが正解です。

よくある誤解

MiraiはWebサーバの脆弱性を悪用するわけではなく、主にIoT機器の弱いパスワードを狙います。また、感染後の攻撃はC&Cサーバの指令によるもので、単独での攻撃実行ではありません。

解法ステップ

  1. Miraiの感染対象がIoT機器であることを確認する。
  2. 感染拡大の方法がランダムなIPスキャンであることを理解する。
  3. 攻撃の指令がC&Cサーバから出されることを押さえる。
  4. 選択肢の内容とMiraiの特徴を照合し、最も合致するものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:Webサーバの脆弱性を悪用しWebページ改ざんを行うのはMiraiではなく、別のマルウェアの特徴です。
  • イ:不正なJavaScript挿入で利用者を誘導するのはクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃の手法であり、Miraiの動作ではありません。
  • ウ:ファイル共有ソフト経由で情報をアップロードするのは情報漏洩型マルウェアの特徴で、Miraiとは異なります。
  • :ランダムなIPスキャンでIoT機器に感染し、C&Cサーバの指令でDDoS攻撃を行うMiraiの典型的な動作です。

補足コラム

Miraiは2016年に大規模なDDoS攻撃を引き起こし、インターネットの一部サービスに大きな影響を与えました。感染は主にIoT機器の初期設定のままの弱いパスワードを狙うため、IoT機器のセキュリティ強化が重要です。また、C&Cサーバは攻撃者がボットネットを遠隔操作するための中枢であり、これを遮断することが対策の一つとなります。

FAQ

Q: Miraiはどのようにして感染を広げるのですか?
A: ランダムにIPアドレスをスキャンし、弱いパスワードのIoT機器にログインして感染を広げます。
Q: Miraiの攻撃はどのように制御されていますか?
A: C&Cサーバからの指令に従って、感染した機器がDDoS攻撃を実行します。
Q: Miraiに感染したIoT機器の対策は?
A: 初期パスワードの変更やファームウェアの更新、不要なサービスの停止が有効です。

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