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情報処理安全確保支援士試験 2025年 春期 午前2 問19
スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか。
ア:MAC アドレスを見て、フレームを廃棄するか中継するかを決める。
イ:一定時間通信が行われていない MAC アドレスを、MAC アドレステーブルから消去する。
ウ:経路が複数存在する場合、アプリケーションやアドレスごとに経路を振り分けて負荷を分散する。
エ:複数のブリッジ間で情報を交換し合い、ループ発生の検出や障害発生時の迂回ルート決定を行う。(正解)
解説
スパニングツリープロトコルの機能を説明したものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:スパニングツリープロトコル(STP)はネットワーク内のループを防ぎ、障害時に迂回路を確保する機能を持ちます。
- 根拠:STPは複数のブリッジ間で情報交換を行い、ループ検出と冗長経路の管理を実現するためのプロトコルです。
- 差がつくポイント:MACアドレスの処理や負荷分散ではなく、ネットワークのループ防止と経路制御に特化している点を理解することが重要です。
正解の理由
選択肢エは「複数のブリッジ間で情報を交換し合い、ループ発生の検出や障害発生時の迂回ルート決定を行う」とあります。これはスパニングツリープロトコルの本質的な機能を正確に表現しています。STPはネットワーク内のループを防止し、障害が発生した場合には自動的に代替経路を確立して通信の継続を可能にします。したがって、エが正解です。
よくある誤解
STPはMACアドレスのテーブル管理や負荷分散を行うものではなく、あくまでループ防止と経路制御に特化したプロトコルです。これらの機能と混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「スパニングツリープロトコルの機能」に注目する。
- 各選択肢の内容がSTPの役割に合致しているかを確認する。
- MACアドレスの処理や負荷分散はSTPの機能ではないと判断する。
- ループ検出や迂回路決定の説明がある選択肢を選ぶ。
- 選択肢エがSTPの機能を正しく説明しているため正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: MACアドレスを見てフレームの中継を決めるのはブリッジやスイッチの基本機能であり、STPの役割ではありません。
- イ: MACアドレステーブルから一定時間通信がないアドレスを消去するのはMACアドレステーブルの老朽化管理で、STPとは無関係です。
- ウ: 経路をアプリケーションやアドレスごとに振り分けて負荷分散するのはロードバランシングの機能であり、STPの機能ではありません。
- エ: 複数のブリッジ間で情報交換し、ループ検出や迂回路決定を行うSTPの本質的な機能を正しく説明しています。
補足コラム
スパニングツリープロトコルはIEEE 802.1D規格で定義されており、ネットワーク内の冗長経路によるループを防止するために設計されました。STPはルートブリッジを選出し、ループを形成するポートをブロック状態にしてネットワークの安定性を保ちます。近年では高速化や拡張機能を持つRSTP(Rapid STP)やMSTP(Multiple STP)も利用されています。
FAQ
Q: スパニングツリープロトコルはどの層で動作しますか?
A: STPはデータリンク層(レイヤ2)で動作し、ブリッジやスイッチ間のループ防止を行います。
A: STPはデータリンク層(レイヤ2)で動作し、ブリッジやスイッチ間のループ防止を行います。
Q: STPがループを防止しないとどうなりますか?
A: ネットワーク内でフレームが無限に循環し、帯域を圧迫して通信障害が発生します。
A: ネットワーク内でフレームが無限に循環し、帯域を圧迫して通信障害が発生します。
関連キーワード: スパニングツリープロトコル, ループ防止, ブリッジ, 冗長経路, IEEE 802.1D, ネットワーク障害対策