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情報処理安全確保支援士試験 2025年 春期 午前2 問23
アジャイル開発手法の一つであるスクラムを適用したソフトウェア開発プロジェクトにおいて、KPT 手法を用いてレトロスペクティブを行った。KPT における三つの視点の組みはどれか。
ア:Kaizen, Persona, Try
イ:Keep, Problem, Try(正解)
ウ:Knowledge, Persona, Test
エ:Knowledge, Practice, Team
解説
アジャイル開発におけるスクラムでは、定期的にプロジェクトの振り返りを行って改善を図ることが重要です。その振り返りの手法の一つに「KPT」があります。
KPTとは何か?
KPTはレトロスペクティブ(振り返り)の方法の一つで、以下の3つの視点からチームの活動やプロジェクトの進行を振り返ります。
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Keep(継続すべきこと)
今後も続けるべき良いことや成功していることを書き出します。例:効果的なコミュニケーション、スムーズなレビュー方法など。 -
Problem(問題となっていること)
現状で課題になっていることや障害、改善したい点を挙げます。例:要件の曖昧さ、ツールの使いにくさ。 -
Try(試みたいこと)
次のスプリントや開発フェーズで試してみたい改善案や新しい取り組みを書きます。例:ミーティング時間の調整、新しいテスト自動化ツールの導入。
なぜKPTが有効か?
KPTはとてもシンプルで明快な視点を持つため、メンバー全員が意見を出しやすく、次のアクションプランにつなげやすい特徴があります。
- Keep で良いポイントを明確にすることでモチベーションを維持します。
- Problem で問題点を浮き彫りにし、放置せずに対処できるようにします。
- Try で改善策の具体案を検討し、継続的な改善(カイゼン)を促進します。
この3つをセットで使うことで、改善のサイクルが回りやすくなります。
まとめ
今回の問題では、KPTの3つの視点として正しい組み合わせは「イ:Keep、Problem、Try」です。
- ア「Kaizen, Persona, Try」や
- ウ「Knowledge, Persona, Test」や
- エ「Knowledge, Practice, Team」
はいずれもKPTの核心をつかんでいません。
参考
- KPTは「Keep(続ける)」「Problem(問題)」「Try(試す)」の頭文字を取ったものです。
- スクラムのレトロスペクティブでよく利用される手法であり、継続的改善に役立ちます。
この理解を深めることで、スクラム開発における振り返りの意義がより明確になり、実務でも効果的に活用できるようになります。