システムアーキテクト試験 2009年 午前207


ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち、最も適切なものはどれか
機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、テストデータを作成する。(正解)
稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し、テストデータを作成する。
業務で発生するデータの発生頻度を分析し、テストデータを作成する。
プログラムの流れ図から、分岐条件に基づいたテストデータを作成する。

解説

ブラックボックステストのテストデータの作成方法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ブラックボックステストでは機能仕様に基づき、同値クラスや限界値を識別してテストデータを作成するのが最適です。
  • 根拠:ブラックボックステストは内部構造を考慮せず、仕様に基づく入力条件の網羅性を重視するため、同値分割や境界値分析が効果的です。
  • 差がつくポイント:仕様からテストケースを体系的に抽出し、無駄なく効率的に異常系・正常系を検証できるかが合否を分けます。

正解の理由

選択肢イは「機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、テストデータを作成する」とあります。これはブラックボックステストの基本的な手法であり、仕様に基づいて入力値を分類し、代表値を選ぶことで効率的にテストを行えます。
他の選択肢は実データ抽出や頻度分析、プログラムの流れ図を用いるなど、ホワイトボックステストや運用テストに近い手法であり、ブラックボックステストの本質とは異なります。

よくある誤解

ブラックボックステストは「実際のデータを使う」と誤解されがちですが、仕様に基づく理論的な入力値の選定が重要です。
また、プログラムの内部構造を考慮するのはホワイトボックステストの範囲であり、ブラックボックステストとは区別されます。

解法ステップ

  1. 問題文の「ブラックボックステスト」に注目する。
  2. ブラックボックステストの特徴を思い出す(内部構造を見ずに仕様からテストを設計)。
  3. 各選択肢の手法がブラックボックステストに合致するかを検討する。
  4. 同値クラスや限界値分析はブラックボックステストの代表的手法であることを確認。
  5. 選択肢イを正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 実データを無作為に抽出するのは運用テストやリリース後の検証に近く、仕様に基づく体系的なテスト設計ではない。
  • イ: 機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、効率的かつ網羅的にテストデータを作成するため正解。
  • ウ: 発生頻度分析はテストの優先順位付けには有効だが、ブラックボックステストの基本的なテストデータ作成法ではない。
  • エ: プログラムの流れ図や分岐条件はホワイトボックステストの手法であり、ブラックボックステストの範囲外。

補足コラム

ブラックボックステストは「仕様ベーステスト」とも呼ばれ、ユーザー視点での動作検証に適しています。
同値クラス分割は入力値を意味のあるグループに分け、代表値だけをテストすることで効率化を図ります。
限界値分析はエラーが起きやすい境界付近の値を重点的にテストする手法で、バグ発見率が高いのが特徴です。

FAQ

Q: ブラックボックステストとホワイトボックステストの違いは何ですか?
A: ブラックボックステストは仕様に基づき入力と出力を検証し、内部構造を考慮しません。ホワイトボックステストはプログラムの内部構造やロジックを詳細に検証します。
Q: 同値クラス分割とは何ですか?
A: 入力値を意味のあるグループ(同値クラス)に分け、その中から代表値を選んでテストする手法で、テストケースの数を減らしつつ効果的に検証できます。
Q: 限界値分析はなぜ重要ですか?
A: バグは境界付近で発生しやすいため、境界値を重点的にテストすることで不具合を早期に発見しやすくなります。

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