システムアーキテクト試験 2009年 午前213


ソフトウェアライフサイクルを、企画、要件定義、開発、運用、保守のプロセスに区分したとき、企画プロセスの目的はどれか。
ハードウェア機成品目、ソフトウェア機成品目及び手作業を明確にし、システム方式及び各品目に割り振ったシステム要件を文書化する。
事業の目的、目標を達成するために必要なシステムに関連する要求事項の集合とシステム化の方針、及び、システムを実現するための実施計画を得る。(正解)
新旧の業務の流れの違いを明確にし、業務の継続性を担保するために業務及びシステムの移行計画を作成、文書化し、実行する。
新たに構築する業務、システムの仕様を明確化し、それをペースにIT化範囲とその機能を具体的に明示し、この内容について取得者側の利害関係者問で合意する。

解説

ソフトウェアライフサイクルの企画プロセスの目的【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:企画プロセスの目的は、事業目標達成に必要なシステム要求と方針、実施計画を明確にすることです。
  • 根拠:企画はシステム開発の最初の段階であり、全体の方向性と計画を定める役割を持つためです。
  • 差がつくポイント:企画は「何を作るか」や「なぜ作るか」を決める段階であり、詳細な仕様や移行計画ではない点を理解しましょう。

正解の理由

選択肢イは、企画プロセスの本質である「事業の目的・目標を達成するためのシステム要求の整理」と「システム化方針および実施計画の策定」を正確に表現しています。企画段階では、システムの全体像と開発の方向性を決めることが重要であり、これが後続の要件定義や開発に繋がります。

よくある誤解

企画プロセスを詳細設計や要件定義と混同し、具体的な仕様や移行計画を作る段階と誤解しやすいです。企画はあくまで全体方針と計画の策定に重点があります。

解法ステップ

  1. ソフトウェアライフサイクルの各プロセスの役割を確認する。
  2. 企画プロセスは最初の段階で、事業目標とシステムの方向性を決めることを理解する。
  3. 選択肢の内容が「目的・目標」「要求事項の集合」「方針」「実施計画」に合致しているかを判断する。
  4. 具体的な仕様や移行計画は後のプロセスで扱うため、企画の説明として不適切な選択肢を除外する。
  5. 最も企画の目的に合致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:要件定義の内容に近く、仕様の明確化や利害関係者の合意形成は企画の次の段階です。
  • :企画プロセスの目的を正確に表現しており正解です。
  • ウ:移行計画の作成は運用・保守や導入段階の作業であり、企画の目的ではありません。
  • エ:システム方式や要件の文書化は要件定義や設計段階の作業であり、企画の範囲外です。

補足コラム

ソフトウェアライフサイクルは、企画→要件定義→開発→運用→保守の順に進みます。企画段階では、事業戦略とシステム戦略を整合させ、プロジェクトの成功に向けた基盤を築くことが重要です。ここでの計画が曖昧だと後工程での手戻りやコスト増加につながります。

FAQ

Q: 企画プロセスと要件定義プロセスの違いは何ですか?
A: 企画は「何を作るか」の全体方針と計画を決める段階で、要件定義は「どのような機能や仕様にするか」を詳細に決める段階です。
Q: 企画プロセスで作成する実施計画には何が含まれますか?
A: 開発スケジュール、予算、リソース配分、リスク管理など、プロジェクト全体の進行管理に関わる計画が含まれます。

関連キーワード: ソフトウェアライフサイクル, 企画プロセス, システム要求, 実施計画, 要件定義
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