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システムアーキテクト試験 2009年 午前2 問18
製品開発の際に用いられ、表の行に目的とする品質を、列に直接管理可能な要素を記入した2元表を用い、互いの関係付けから重要性の高い品質要素は何かを明らかにする手法はどれか。
エ:品質機能展開(正解)
ア:FMEA
イ:FTA
ウ:田口メソッド
解説
製品開発における品質要素の重要性分析手法【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:目的品質と管理可能要素を2元表で関連付け、重要な品質要素を明確にする手法は「品質機能展開」である。
- 根拠:品質機能展開は「顧客の要求(目的品質)」を「設計や製造の管理要素」に展開し、相関を分析することで重点管理項目を特定する。
- 差がつくポイント:FMEAやFTAはリスク分析や故障解析に特化し、田口メソッドは実験計画法であり、2元表での品質要素関連付けは品質機能展開の特徴である。
正解の理由
品質機能展開(Quality Function Deployment, QFD)は、顧客の要求や目的とする品質を表の行に、設計や製造で直接管理可能な要素を列に配置した「ハウス・オブ・クオリティ」と呼ばれる2元表を用います。この表で両者の関係性を分析し、どの管理要素が品質に大きく影響するかを明らかにするため、重要な品質要素の特定に最適です。問題文の「2元表」「目的品質」「直接管理可能な要素」「関係付け」というキーワードが品質機能展開の特徴と一致します。
よくある誤解
FMEAやFTAは品質改善に役立ちますが、目的品質と管理要素の2元表での関連付けを行う手法ではありません。田口メソッドは実験計画法であり、品質要素の関係付けとは異なります。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「2元表」「目的品質」「直接管理可能な要素」「関係付け」を確認する。
- 各選択肢の特徴を整理し、2元表を使う手法を探す。
- FMEAは故障モードの影響分析、FTAは故障原因の解析、田口メソッドは実験計画法であることを思い出す。
- 品質機能展開は「ハウス・オブ・クオリティ」という2元表を用い、品質要素の関連付けを行う手法であると判断する。
- よって正解は「エ:品質機能展開」と確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: FMEA
故障モードと影響を分析しリスクを評価する手法で、2元表による品質要素の関連付けは行わない。 - イ: FTA
故障の原因を木構造で解析する手法で、目的品質と管理要素の2元表は使わない。 - ウ: 田口メソッド
実験計画法の一種で、品質要素の重要度を2元表で分析する手法ではない。 - エ: 品質機能展開
顧客要求を設計要素に展開し、2元表で関係付けを行い重要な品質要素を明らかにする正解の手法。
補足コラム
品質機能展開(QFD)は日本発祥の品質管理手法で、顧客の声(VOC: Voice of Customer)を設計や製造に反映させるために開発されました。代表的なツールである「ハウス・オブ・クオリティ」は、顧客要求と技術的要求の関係を視覚的に示し、開発の重点を明確化します。これにより、顧客満足度の高い製品設計が可能となります。
FAQ
Q: 品質機能展開はどの段階で使う手法ですか?
A: 製品開発の初期段階で顧客要求を設計要素に展開し、重点管理項目を決定する際に使います。
A: 製品開発の初期段階で顧客要求を設計要素に展開し、重点管理項目を決定する際に使います。
Q: FMEAと品質機能展開の違いは何ですか?
A: FMEAは故障のリスク評価に特化し、品質機能展開は顧客要求と設計要素の関係付けにより品質向上を図る手法です。
A: FMEAは故障のリスク評価に特化し、品質機能展開は顧客要求と設計要素の関係付けにより品質向上を図る手法です。
関連キーワード: 品質機能展開, ハウス・オブ・クオリティ, 顧客要求, 2元表, 品質管理, 製品開発