システムアーキテクト試験 2010年 午前204


オブジェクト指向におけるオブジェクト間の代表的な関係には、is-aとpart-ofの二つがある。表に示すオブジェクト間の関係の組合せのうち、適切なものはどれか。
選択肢画像
(正解)

解説

オブジェクト指向におけるオブジェクト間の関係【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:タイヤと自動車は「part-of」、人間と動物は「is-a」、辞書と書物は「is-a」が正しい関係です。
  • 根拠:「is-a」は継承や分類の関係、「part-of」は部分と全体の関係を示し、各ペアの意味に合致します。
  • 差がつくポイント:オブジェクト間の関係を正確に理解し、部分-全体と上位-下位の違いを見極めることが重要です。

正解の理由

「タイヤと自動車」はタイヤが自動車の一部であるため「part-of」が適切です。
「人間と動物」は人間が動物の一種であるため「is-a」(上位-下位関係)が正しいです。
「辞書と書物」も辞書は書物の一種なので「is-a」が適切です。
これらの関係を正しく表しているのは選択肢ウです。

よくある誤解

「is-a」と「part-of」を混同しやすく、特に「辞書と書物」を部分関係と誤認することがあります。
また、タイヤを自動車の一種と誤解し「is-a」とする誤りも多いです。

解法ステップ

  1. 「is-a」とは何か(上位-下位関係、継承関係)を理解する。
  2. 「part-of」とは何か(部分-全体関係)を理解する。
  3. 各オブジェクトペアの関係性を具体的に考える。
  4. タイヤは自動車の一部であるため「part-of」。
  5. 人間は動物の一種なので「is-a」。
  6. 辞書は書物の一種なので「is-a」。
  7. これらを満たす選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:タイヤと自動車を「is-a」としているが誤り。タイヤは自動車の一部であり「part-of」が正しい。
  • イ:辞書と書物を「part-of」としているが誤り。辞書は書物の一種であり「is-a」が正しい。
  • ウ:正解。タイヤと自動車は「part-of」、人間と動物は「is-a」、辞書と書物は「is-a」と正しく表現している。
  • エ:辞書と書物を「part-of」としているため誤り。

補足コラム

オブジェクト指向設計では「is-a」関係は継承(inheritance)を表し、クラス間の階層構造を示します。
一方「part-of」関係はコンポジションやアグリゲーションとして表現され、オブジェクトの構成要素を示します。
これらの関係を正しく理解することは、設計の品質向上に不可欠です。

FAQ

Q: 「is-a」と「part-of」の違いは何ですか?
A: 「is-a」は上位-下位の分類関係で、継承を意味し、「part-of」は部分と全体の関係を示します。
Q: 辞書は書物の一部ではないのですか?
A: 辞書は書物の一種であり、全体の一部ではなく「is-a」関係が適切です。
Q: タイヤは自動車の一種になり得ますか?
A: いいえ、タイヤは自動車の構成部品であり「part-of」関係です。

関連キーワード: オブジェクト指向, is-a関係, part-of関係, 継承, コンポジション, アグリゲーション
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